観劇ブログ(雑記ちゃん)

かなり個人の見解です!

2022年前半の観劇を振り返る①(2022/1~3)

最近見た公演の感想をつらつらとメモ。(「冬霞の巴里」の感想のみ別記事)

普段あまり感想を書かないので、これを機に書いていきます~!

 

▼前提

・ちなみに推しの遍歴は、紅ゆずる→仙名彩世を追い、FC会員。現役ジェンヌ様は綺城ひか理さん・咲乃深音さん・野々花ひまりさんをメインに応援しております(5組全部見ています)

・他ジャンルは7ORDERメインに見ています。

 

 

■1月 花組公演 忠臣蔵ファンタジー『元禄バロックロック』 作・演出/谷 貴矢

→公演ストップ前に奇跡的に一回観劇。愛する仙名様退団後は諸々の新体制が受け入れられずに疎遠になっていましたが、せっかくまどかが来てくれたのだからとコルドバの神奈川公演に行って歓喜の上復帰。まどかありがとう。タカヤの脚本は軽快ながらSF特有の主人公やヒロインの繰り返しによって生まれるカルマの背負い方!再会を誓う過去シーンのラブロマンス要素もわかりやすくエモくて…昨今のまどマギや新海作品のようで面白かった。ただ、娘役の役が名前は付けたものの極端にセリフや見せ場が少なかったのが残念。ウエクミのFLYINGSAPAが賛否両論状態だったように、年配のファンが多いヅカではもうちょっと忠臣蔵要素を入れてあげた方がよかったのかな…。とはいえ今後のタカヤに大注目。

レビュー・アニバーサリー『The Fascination(ザ ファシネイション)!』-花組誕生100周年 そして未来へ- 作・演出/中村 一徳

→中村Bらしさは少なく、懐かしい名曲を小分けにしたグループで歌い継ぐショー。この形式、たくさん下級生を覚えられて良かった。コロナ後は若手場面が各組で増えた印象ですが、雪組FFの若手ダンスのニューファイアーは全然わからなかったからこっちのが良いです。まどかがダンスの花組に戻してくれたおかげで各所の振り付けの難易度がアップ。あれもこれもオマージュが感じられ、往年のファンはさぞや楽しかったことでしょう。特に映像で見るより酒とバラの日々は現場で観劇すると没入感あり。ひとこの軍服も良く、音くりは貫禄の歌声。花組はひりゅーくん以下のタレント力ある男役の育成が急務ですね。。娘役も銀橋で歌うには早いのではという感じの子も…。地味に100周年にしては予算が少なく、トップコンビ以外の衣装がシンプルで…生徒自身が花という感じなのか…まあ照明に映えてかわいらしいベビーピンクで見た目は綺麗。羽根は景気よく4つ見られるかなと思ったけど…二番手不在でした。

そして推しの咲乃深音ちゃん!!とてつもなく花娘らしいエトワールに感涙したのは勿論、どのシーンも素晴らしかった…。結局ありがとう中村B。

☆個人的な咲乃深音ちゃんメモ

・OP ひとこ銀橋の時の上手側前列

酒とバラの日々 登場センターの上手側隣(その後全体的に上手)

・ファシネフラワー センターから下手側の斜め後ろ(大抵下手)、路線が銀橋に出た後最前列センター隣

・情熱の花 四人娘にいる!ゆうなみ氏を糸月さんと挟んで歌い踊る!(途中ゆうなみ氏の腰を抱く!かっこいい…)

・ララフローラ 真ん中から下手へ(可憐です…)

・心の翼 最下手側あたりの最前列!

・階段娘役群舞 センター最上段(東宝ではちょっと位置が違った?)、降りたらセンターブロック、2列目センターあり!ここ美しい長い手足がエレガントでめちゃ感動した…最下手最前列辺で終わりへ

・銀橋に登場時は、下手側は音くり~略~しょみちゃん・ひなりり・糸月さん・深音ちゃん!(しょみちゃんの髪型で探しやすい)

 

 

■1月 TRUMPシリーズ ミュージカル『ヴェラキッカ』

→初日観劇。TRUMPシリーズはあらかた見ているがハロプロさん関連のものはノータッチ。いつものTRUMPシリーズの叫びたくなるような地獄絵図とは異なる展開で、なるほどこれが人間愛奇劇…。悲しいけど、皆が自分の生き方を望むままに選んだ結末に安心できた。屋敷から離れたところに妙なさわやかさを覚えたほど。二回見ると一層面白い(辛い)作り。

末満さんは美弥ちゃんの過去作品をよく予習されていたようで、見せ方が素晴らしかった…出てくるたびに衣装チェンジしてて(言葉通り)見応えあるし着こなしがパーフェクト!美弥ちゃんの奇跡の顔面力とスタイルであらゆる人を虜にする展開に全く嘘がない。フィナーレのあのファンサービスの極致のような決め台詞…公演時間を通して知らぬ間に自分も理想の美弥ちゃんを心に住まわせていたのか!?と痺れた!あゆっちの歌も素晴らしく、おふたりともタカラジェンヌの力と華を存分に発揮されていて最高。あと本当に久々Leadの敬多を見た…随分前にベイビーランニンワイルド大好きだったな〜とあのイメージのまま見てたら、なんとも芝居がいい!独特な声質も相まって、何故かかわいさのある硬質な魅力が良かった…細長い手足のスタイルも素敵でまた見たい役者の一人になった。

 

 

■1月 ミュージカル『INTO THE WOODS』

→お声かけいただき観劇したものの、このクオリティで13500円(日生劇場)は納得できず。だいもん初舞台×ソンドハイムで観客側が期待大状態だった事を差し引いても主要キャストの実力に差がありすぎた。私が今まで観劇した舞台の中で最も不協和音が鳴り響いていたかもしれない。当然多くの人が厳しい批評を投げかけている現状。歌唱力の微妙だったキャストの問題だけではなく(別に手を抜いているとは思わなかったし)、キャスティングした制作側に疑問を抱くし、どういうものが完成形イメージでオファーしたのか気になる。開幕前は「普通ではない」ことを売りにしていたが、どこらへんが他と違うのか全然わからなかった。普通にミュージカル慣れしている観客からしたら、同時並行する展開も、役に年齢がそぐわないキャストが演じることも「よくある手法」だし。当然かの有名なソンドハイムの早口長文の歌も知っていて観劇に望んでいるので、そこも別に目新しくもないので、多分違うジャンルの分野から俳優を結集させたということが売りだったのかな?世界観が日生劇場のレトロ感に合っていたのはよかった。とにかくだいもんの喜怒哀楽芝居が全て良く、超人的な歌声は非の打ち所がないことだけが救いだった。

 

 

■2月 月組 ミュージカル・キネマ『今夜、ロマンス劇場で』 脚本・演出/小柳 奈穂子

→待ち望んだれいこちゃんトップ!とにかく何十年かに一度のド美形がセンターに立つという凄まじさ。月組チケットが急に取れなくなった(!)ので配信のみ。ヅカに落とし込んでも何の遜色もない脚本と月組メンバーの芝居力が頼もしい。お互いに触れないという清らかさが宝塚の演目にぴったり。次が血も涙もない展開のギャッツビーなのでこれくらいほのぼのとした物語でスタートできて良かった(新規客もかなり取り込みやすかったが、次回作は案内できない…)

ジャズ・オマージュ『FULL SWING!』 作・演出/三木 章雄

→久方ぶりの三木先生。ファンシーガイの諸々からかなり不安もあったが、ちなつ・あり・おだの強力な路線の安定感が小綺麗かつ手堅い演目に仕立てていた印象。この三人の、れいこちゃんを無理なく舞台に立たせる働きに拍手。上級生もかっこいい。とかくくらげの上手いダンス力も要所要所でうまいこと使われていて、JAZZの難しい拍も最後まで楽しめた。みちるの素敵な化粧が月組に広まると嬉しい。

 

■2月 ミュージカル「The View Upstairs -君が見た、あの日-」

→煌びやかな顔面ラメのポスターと壮ちゃんのインタビュー内容に感銘を受けてチケットを取ってしまったので、ほぼ予習せず…ポスターのような世界観ではなくて最初驚いたけど(特に東山さん…あの使い方でいいの!?)これは自分の落ち度です、反省。人権や性的指向について令和は過渡期といえる中、なかなか意義深い作品。タイムスリップ要素の不和が度々差し込まれることで、二人の間に悪い夢のような鬱々とした不安がたちはだかり、後半は超越した恋愛というよりは禅問答みたいだった。今を生きる私たちがいかにして積まれた過去の上に立っているのか突きつけられて、より他人事ではなくなった構造。壮ちゃん適役、よく作りこまれてる。小関ちゃんはテニミュやハンサム時代から変わらないピュアな歌声とからだの大きさが役とアンバランスでよく言えばミステリアス、微妙な言い方にはなるけど歌声は浮いてる、それが夢のように儚くて美しいのかも。岡さんはマグダラぶりに拝見して大感動の素晴らしい姿勢と歌声…ジョークも一流。フレディのしょごたん、活力ある歌声と足の先まで意識していたのが伝わった。そのほかのみなさまも安定感ある芝居と技術でした。

 

 

■2月 星組公演 ミュージカル・コメディ『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』 原作/オスカー・ワイルド 脚本・演出/田渕 大輔

→KAATで観劇。推しのあかちゃん(仙名様退団後の推し)が二番手役。誠実な役で本人の持ち味に大変合っていたと思います!とかくくすっと笑えるコミカルと少しのシリアスを行ったり来たりで楽しい作品。せおさん・ほのか・あかちゃんの皆似たような温度の優しく温かい芝居で心和む。うたちゃんはキャリアのわりに安定感でびっくり、泣くときの表情が「ウワアアアア」って感じでとにかく面白い。突然のキャスト変更にも関わらず完全に間に合わせてきた紫りらちゃんに拍手でした。(退団前の作品となり、勿論正規の役のみのりさん見てみたかった気持ちは多大にあったが…)

 

■2月 星組公演グランド・ロマンス『王家に捧ぐ歌』-オペラ「アイーダ」より- 脚本・演出/木村 信司

→行くはずだった公演が中止に…配信だけになって悲しみの中鑑賞。謎のモノクロ衣装、暗い照明、簡素なセットを吹き飛ばすれいまこの歌唱力はさすがの一言。くらっちも安定感ある芝居と歌(超かっこよかった~~)で王女の悲哀に納得感があった。ひっとんはごつい髪形に華奢な体躯で頑張っていた。オペラでも観劇したことあるけど、このアイーダというストーリー自体がそもそも好きではないのでこれ以上感想が書けない。

 

■3月 音楽劇『夜来香ラプソディ』

→初日観劇。河原さん演出はもう間違いないです。シアターコクーンのセットも生バンドも日常とクラブとコンサートに対応できる組み方でかなり良い。

オープニングから面白い仕掛けがいくつかあります、男装のかっこいい壮さん(最初若手イケメン俳優かと思った)と仙名彩世様階段降りもあり。本編は網タイツで階段に潜むゆきちゃんのとてつもない妖しい美声(このメロディラインはご自身で考えたとのこと…すごすぎ)で魔都上海に誘われる場面から始まり、否が応でもテンション爆上げ!ご時世的に戦時中の話を扱うのはさぞや大変だったことでしょうが、今をときめくTV俳優へスターダム爆走中の松下洸平くんが繊細だけど熱い芸術家を思い切りよく演じているし、手堅い俳優ばかりの布陣で安心して見ていられます。松下くん歌がとにかく抜群にうっまい…木下さんとのデュエットはファントムのビストロさながらに「え!こんなに歌上手いの!??」と動揺しました(※ミュージシャン笑)が、その後は目立って歌うところはなかった、もっと聞かせてほしいよ~!!

クラブでは登場から大きな蝶飾りを頭に二個つけても顔面が負けてないねねちゃんに感服。その後もチャイナドレスを中心に様々な衣装を着こなすゆきちゃん・壮さん・ねねちゃんが続々…とんでもない美の饗宴でコンサートシーンでもそれぞれの得意分野での活躍が!ゆきちゃんは兼役でコンサートでは煌びやかな白いドレスに羽根で大御所歌手「白光(バイ・クァン)」もやります、本当にトップ娘役時代を思い出すありがたいシーンでねねちゃんとも絡むのでさながらタカスぺ状態。壮さんもコンサートでは男装からシックなチャイナドレスに変身し、愛する人への秘めた哀愁を漂わせながらの歌で魅せてくれます。

本題、ゆきちゃん演じるリュバ・グリューネッツはロシア人(実在のモデル有)ながら、木下さん演じる李香蘭と昔声楽で繋がった縁があり、今は共産党員で李香蘭を妨害し…という難しい立ち位置の役。幼き日に木下さんと二人でロシア民謡の「赤いサラファン」歌ったシーン、めちゃくちゃ感動…チョコミントっぽい衣装もかわいい(衣装は外部ポーとかの生澤先生)。李香蘭にとって音楽はあらゆる垣根を超えると信じられた最初の希望だと思います。すっきりとした顔立ちで安定感のある李香蘭が芯をもって生きていくのに対比して、男たちがブレながら一生懸命に生き方を模索する対比が面白く、そんな李香蘭がリュバだけには感情むき出しで執着しているのも良かったですね。とんでもなくレベルの高い俳優の舞台でした。早くブルーレイ発売してください…。