観劇ブログ(雑記ちゃん)

かなり個人の見解です!

2023年後半の観劇を振り返る(2023/12)

 

最近見た公演の感想をつらつらとメモです。

■12月 花組公演 ミュージカル・プレイ『激情』-ホセとカルメン- 脚本/柴田 侑宏 演出・振付/謝 珠栄

→グリーンホールで観劇。ひとこちゃんの堂々たる全国ツアー。助手は樫畑先生。

何度も再演している激情は四回目の世界。有村先生の手掛ける軍服が青からキャメルに変わりました。ひとこちゃん、歌芝居ダンスどれをとっても安定していて素晴らしい。闇を覗き込む暗い目の役は、ドン・ジュアンでも冬霞でもはまり役。ナウオンでも言っていたけど自分の生き方とは何かをわかっていない焦燥感、自由と抑制のはざまでもがくさまが見事でした。こういう風に身勝手に嵐のように生きたいけど結局社会の中では異分子なのでこれは物語の中だけにしておきましょうという構造なのもヅカ的にぴったり。カチャのメリメは安定感が半端ないです。ガルシアもいいけどやっぱりメリメ。スーツの着こなしも真摯で小説家の佇まいがピタリとはまる。

星空さんは事前の心配よりもうまくスカートをさばいて良かった。カルメン、すごく娘役として難役だと思う。どう演じても娘役の枷はあるし、逆にやり過ぎてもヅカでやってる意味がなくなるし、かといってやりきらないと子供っぽいわがままな女に成り下がってしまう…。お若い年次でこれほどやれれば誰も文句ないと思います。(そう思うとやはり初演のお花様の品の良さは生まれながら…?どうやったらあの流れで気品とのバランス感保てるの?すごすぎる)

エスカミリオのあかちゃん、春の祭りでの登場シーンから痺れた。スターの風格と立ち姿。かっこよくて自信があって、それでいてやっぱり良い意味で賢しい。あかちゃんの持ち味としては思いやりがあるとか賢いイメージがどの役にもにじみ出ていて、それがこの学年にもなると一種の個性として受け取るのが楽しい。エスカミリオが酒場で出し抜いてそれを伏せておくのも賢いし、恋の歌もそれがあるからシンプルに明るくてかわいい。闘牛場での赤い布を掴むカルメンとの姿はまるで絵画。しかしそれを上回るひとあかのダンスシーン…皆双眼鏡あげたよね!???(舞台写真も勿論買った)

本題です。咲乃深音ちゃんの話です。ミカエラ大抜擢でしたが、あの歌を歌いこなせるのは現状深音ちゃんがどう見ても適任でしょう(ほかの組の路線外だったらきららうみちゃんやありすひめかちゃんでしょうね)ホセ・メリメ・カルメン・ミカエラのカルテットはこの作品の重要なクライマックスでした。

またしてもひとこちゃんに手ひどく扱われる女役の深音ちゃん、健気で信心深くて彼の行く末をどこまでも案じている姿にフィレンツェでのマチルダ役がよぎります。ミカエラは婚約者として彼の母の面倒を見ながら故郷で暮らし、セビリアの祭りの喧騒の中バスケットにりんごをもってホセのもとを訪れます。真逆の生き方のカルメンと出会ってホセの心はますますミカエラから離れますが、優しい歌声に反し、意外と行動派ミカエラはあきらめません。つっかかってくる軍人にも毅然とした対応。様々に彼の事を追いかけ、母の事を任す使用人ぐらいの扱いをされ、看取ったことを告げても悲しみに暮れるだけの身勝手なホセ…に、も、かかわらずまだ彼の生き方を案じて思い続けるミカエラ…。もう信じられない扱い。こちらはキレそうですがどこまでもどうしようもないホセを本気で心配している聖母のような存在としてしっかりと深音ちゃんが君臨していてこその作品でした。まなざしや声色に恋を超えた愛がのってるんですよ…深音ちゃんミカエラの芝居には…!

 

 

ネオ・ロマンチック・レビュー『GRAND MIRAGE!』作・演出/岡田 敬二

→助手は雑賀先生。大劇版との違いは、カチャが二番手に入っていることによる場面追加ぐらい。カラーは大きく変わらず。

・OP ロマンチック乙女始まりは人が減ってたけど非常にヅカらしくてわくわくします。

・果てしなきミラージュ あかちゃん、ほってぃ、はなこ、だいやになったとき衣装の色がそろっていて綺麗。

・遥かなるミラージュ ここはさすがにカレー&まどかの巧さを思い起こしました。ミラージュの乙女は花娘ならではの品のある佇まい…深音ちゃんの笑顔がかわいい。

・VIVAカンツォーネ! あかちゃんの髪形が大劇と変わっててオペラを下げることができませんでした、なんだあの若返った前髪は…??イケメン過ぎる…。相手は長身美女の美里玲菜さん。美男美女で眼福…!

・シボネー ひとこちゃんのバージョンもミステリアスで良いです!あかちゃんの相手はまたしても美里玲菜さん。

・GOLDEN DAYS(新) カチャ真骨頂。ロマンチックレビューの継承者カチャの王子様を堪能。下級生は勉強になったことでしょう…あと淑女の深音ちゃんの可憐さが楽しめる。

ボレロ あかちゃんの相手は琴美くららさん。リフトが持ち上げやすそうだった。

・ラ・ノスタルジー(新) カチャ真骨頂2。下級生は勉強になったことでしょう…。

・フィナーレ ソー・イン・ラブを熱く歌うあかちゃんのを泣きながら見ていたのでひとみさの記憶が一切ありません。3/12にブルーレイが出たら確認します。

・エトワール 咲乃深音ちゃん大大大優勝ありがとうございました。

 

 

■12月 SORA KAZUKI Christmas Special Dinner Show『Vie.』

→あっという間に雪のムラ千秋楽を終え、DSを配信で視聴。

かわいくて清楚な華純沙那ちゃんと、フレッシュすぎる(いろいろな意味で)咲城けいくんというダンサー二人を従えての素晴らしいDS…。

トークも思いのほか長くて(笑い)見ごたえのある内容でした…歌詞に野口君の愛情も感じ、素晴らしいスター和希そらを惜しむばかり…。

 

 

■12月 『ながされ・る君へ~足利尊氏太変記~』

→毎年のことながら内容が書けない…笑 昨年と違って非常にノーマル(?)な内容。

多分路線若手(ヅカ的な言い方)石川りょうがくんのおかげでシリアスなパートが保たれたからかなと思います、、りょうがくん(とりょうがくんファンの皆様)お疲れ様でした。キラキラ現場に戻って大成してもるひまのことを忘れないでください。

とにかく歌が上手いメンバーを集めまくって、主役には爽やかな風が吹き荒れているような美しくて甘い顔面の相葉!よくぞお戻りに…!(何で戻ってきたというのが本音)

支える内藤くんはお馴染みの歌うまで、上口さんはるちゃんの歌うまにも大ナンバーも用意され、大満足。

井澤ゆ~きは何でも安定してて良いし、伊藤さんはもう外せないキャストの一人(今年も光る靴はいてほしかった)。器用な井澤たくまはもっといろいろできそうな余地がある。広井君キゾクブルーかなりふりきれててかわいかった。かっちヒロインを観れるのは年末の健康に良い。前川は今回の役良かった。辻ちゃん、松田岳結婚おめでとう。加藤、まさし来年も会いたい。水さん今年も本当にありがとうございました。ROLLYさん大活躍でしたね。

原田くん(ジャスミンティー)は最早先生の域?前回の群像劇も超面白かったけどスター芝居を作るのも上手いとは…。

そして二部「猿楽の日1338~近頃都で流行るものフェスティバル」、今年はMCが鯨ちゃん。これを見ないと年越しできない!!!版権の関係上ノーコメントですが、唯一書けるTHE ZEN 『JI-AI』はほんとに意味が分からなくてこれもありだなと思いました。来年も有休取って観ます!毎年思うけど、同じような時期に明治座で長時間ふざけて泣いて食べてあらゆる角度でエンタメを楽しめるいわば年中行事みたいな公演って他にあまりないのではないかな?満席御礼とは言えない世の中ですけど、こういう企画が長く続いていることがうれしくありがたく思います!