2025年の観劇を振り返る(2025/1-2)
最近見た公演の感想をつらつらとメモです。
- ■1月 花組公演 ファンタジー・ホラロマン『エンジェリックライ』 作・演出/谷 貴矢
- レヴュー グロリア『Jubilee(ジュビリー)』作・演出/稲葉 太地
- ■1月 星組公演 礼真琴 日本武道館コンサート『ANTHEM-アンセム-』 構成・演出/竹田 悠一郎
- ■2月 月組公演 ミュージカル・クエスト『ゴールデン・リバティ』 作・演出/大野 拓史
- Takarazuka Spectacular『PHOENIX RISING(フェニックス・ライジング)』-IN THE MOONLIGHT- 作・演出/野口 幸作
- ■2月 舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへ
■1月 花組公演 ファンタジー・ホラロマン『エンジェリックライ』 作・演出/谷 貴矢
→大好きな推しあかちゃんの退団公演ということで2024年に遠征もして見送り、東京公演も数回行って無事卒業…。強すぎる95といろいろあった96の下で、特に目立たない97期の絆(タカヤも含めて)を感じてこれ以上ない楽しい公演でした。本当にあてがきでしか生まれない良いキャラがたくさん登場し、アニメ化したら某CLAMP作画になるだろうかわいい造形美、ベタだけど良い曲を歌うトップコンビ…。親友だろ!のセリフ…座付き作家の腕の見せ所満載で、これぞ見たかった!場面の連続。あかちゃん、最後まで良い人の芝居をやらせたら右に出る者がいなかったね。今まで本当にお疲れ様でした。
路線以外では初音夢ちゃんが抜群のキャラ昇華力で目を引いた。周りへの影響力もあって花海りんちゃんも引っ張られてどんどん良くなってた印象。フリーな部分がうまくできていない天使も数名いた中でかなり悪魔側が良かった!
レヴュー グロリア『Jubilee(ジュビリー)』作・演出/稲葉 太地
→雪組らしい鋭い眼差しのひとこが冒頭の明るい華やかな始まりのレビューで生まれ変わったような花のトップスターに…!聞き覚えしかないクラシックの名曲にのせて取っつきやすい場面が多く、エンライにびっくりされた高齢者も救うような通えるショー。概ね稲葉先生のパッケージ通りでカチャもあかちゃんも見せ場もあって大満足。サヨナラショーもまさかのロミジュリ…星組B日程…どれだけ通って、どれだけ見たことか…。
唯一れいん率いるNEW~のシーンが動きにくそうな重たい裾のドレスで、全く実力を活かせていない簡単な振り付けにとにかく盛り上がらない遅い音楽で可哀想だった…足も上げないし回らないし、他の組のNEWシリーズよりめちゃくちゃ難易度が低い。その後のシーンにダンサーが持ってかれていたし、次代を担う意味でもらいととみはねでやればよかったのではないか(極楽鳥も振付が簡単すぎたし、適正が上手くいかされていない印象)
■1月 星組公演 礼真琴 日本武道館コンサート『ANTHEM-アンセム-』 構成・演出/竹田 悠一郎
→ライビュで鑑賞。れいまこは歌芝居ダンス全て最高の極致。ありちゃん、あまともよく食らいついていて楽しかった。タカラジェンヌとしての枠を大きく超えた存在として様々なチャレンジをさせられていた印象もあり、こうやって劇場を飛び出すとこの後どうなるんだろう?という我々ファンの想像も及ばない…そんな世界に行くような…寂しいけれど誇らしい…。どこへいっても時代の先駆者、スーパースターであってほしいという勝手な祈りも込めて…お疲れさまでした…。
■2月 月組公演 ミュージカル・クエスト『ゴールデン・リバティ』 作・演出/大野 拓史
→複数回観劇。(なぜかチケットが当たる…)初回に見た時は追うものと追われるものの目的がつかめず、暗めの色合いも相まって意味が分からないと思ったが、2回、3回と観劇を重ねるうちにめちゃくちゃ面白く思えてきて…しかもあて書きというかちなつが長い足を振りかざしてアクションするところとか、あましが島国の美女になって踊るエンドとか全てが愛おしく…するめ作品。なぜちなつがレストランで風間保安官に捕まったのか、その後サーカスでもう一度色々な団体に追われるのかが整理されないと初見には厳しいと思うのは変わらずだが。
Takarazuka Spectacular『PHOENIX RISING(フェニックス・ライジング)』-IN THE MOONLIGHT- 作・演出/野口 幸作
→見つけてしまいましたNEWスターを…飛翔れいやくんです。野口幸作も引っかかったようで相当おいしいポジションで黒鳥やっています。かっこよくて最高!
久しぶりの野口Spectacularですが、この人のショーは歌うまでないと消化できないということが浮き彫りに…。素晴らしい構成とお披露目に相応しい豪華さでした、黒鳥の若手にも助けられ、とにかく通える最高の捨てシーンのない愛の溢れた展開。群舞もデュエットダンスもアダルトで一番いい活かし方を精緻に表現していたのが良かった。
■2月 舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥かへ
→配信で元吉演出を体感、平面のセットではなくまさに空間芸術。短編集のような作りで物事を進めていく文系スタイルのストーリー。昭和時代の刀剣研究の第一人者鎌田魚妙が刀剣の歴史や物語を集めて記録することに目を付けられ遡行軍に襲われる(=物語が強ければ刀の強さも…)ところを先行調査員の山姥切長義と日光一文字が阻止。鎌田との語らいの中でオムニバス形式で二振りずつの刀剣男士の話が進むという、お馴染みの末満地獄がなくとも飽きさせない展開。舞台「刀剣乱舞」の価値観がスマートに導き出され、他のメディアミックスとの相違点を再整理したような回に感じた(やっぱ情念がないから見やすい…)
2024年の観劇を振り返る(2024/9-12)
やっと2024年の記録終わり~!
- ■9月 TRUMP series 15th ANNIVERSARY 舞台『マリオネットホテル』
- ■10月 雪組公演 三井住友VISAカード シアター宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~
- 脚本・演出/植田 紳爾、演出/谷 正純
- ■10月 ミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』
- ■10月 甦夢THEATRE「黄金仮面―masque doré―」
- ■11月 星組公演 政界コメディ『記憶にございません!』-トップ・シークレット-原作/映画「記憶にございません!」映画脚本・監督/三谷 幸喜、潤色・上演台本・演出/石田 昌也
- カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul -Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)』
- 作・演出/竹田 悠一郎
- ■12月 雪組公演 ミュージカル『愛の不時着』
- ■12月 OG公演 SPECIAL ENTERTAINMENT STAGE『RUNWAY』
■9月 TRUMP series 15th ANNIVERSARY 舞台『マリオネットホテル』
→チケットが取れず(完売!すごい!)千秋楽配信。末満演出に適したキャストが繰り広げる最高の物語だった。最後に扉を開けて出ていく二人の爽やかさと反して、客席と梅津はこれから起こりうる悲劇を知っているわけで…。最近こういうの多いな。
特にあきらの使いどころが一番唸った…よくもこのようなキャスティングを思いつくな…。ヅカに詳しくない人にはあまり伝わらないかもしれないけど…ご出演されたマスカレードホテルとポーの一族のハイブリッドのような役の味わいなんですよね…。そして梅津は期待された役割を上回る怪演。最後に一言、俺が思う最高のイケメン染谷を、最高に信頼するあゆっちに紹介する(当然ながら初対面ではない)という演劇上の謎の仲人心みたいなものも感じて面白かった。
■10月 雪組公演 三井住友VISAカード シアター宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~
脚本・演出/植田 紳爾、演出/谷 正純
→チケットが取れず千秋楽配信。もう言うことないぐらい最高の咲ちゃんの輝きを伝統的な物語を通して堪能しました。あーさ・あがたは当たり役で今後も語り継がれるはず。令和の改変?というかいいところもありつつ、後半のベルばら歌舞伎とも言わんばかりのマリー・アントワネットの大仰なセリフ回しが薄まってたのは残念。前半のピンクドレスと牢獄からの芝居は素晴らしかっただけに演出の指示あってのことだと思う、今回はちゃんとヒロイン芝居に振ったんだと理解。サヨナラショーも路線男役に託すヅカの継承心を感じて痺れた。オデッセイの中止など様々な事件を乗り越えたストイックな咲ちゃんの姿勢と素晴らしいダンスは今後も伝説となると思う、お疲れさまでした…。
■10月 ミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』
→元々WESTはかじっていて小瀧の歌が上手いのは知っていたが、これほどまでにミュージカル用の歌唱に変えてきているとは思わず衝撃を受けた、とにかく上手い、そして当然コメディセンスもある、素晴らしいスタイルにかわいい顔。凄すぎる。久しぶりの美園さくらを楽しみに観に行ったはずが、嬉しすぎる誤算。この男は絶対ミュージカルで活躍させた方がいいと思う、そこらの若手俳優よりよっぽど大成しそう…上手く磨けば大作ミュージカルもできそうだから早く舵切ってほしい(ジャニーズのショーマストゴーオン精神という舞台精神はなかなかまねできないと思うので…)
美園さくらは久々の登板とは思えないほど奇跡のように歌が上手くて着こなしも最高でまじでいうことなかったけどあまりお仕事はされないのかしら…勿体ない。是非また見たいけど…。れいこちゃん版との違いは終盤に顕著に出ていて、小瀧の方はわりと現実的というか黒いまま終わるので…それぞれに良かったのでぜひ再演してほしいところ。
■10月 甦夢THEATRE「黄金仮面―masque doré―」
→佐藤永典ファンの友人に誘われて観劇。明智小五郎役の小越勇輝を久しぶりに見たが相変わらず華のある佇まいだった。さとちゃんの短パンには衝撃、いつまでもお若い…。鷲尾侯爵役のキャストの代役でキャストが奔走していたのが残念だったがアクシデントに対応できる良い役者揃いだったということだろう。黄金仮面役の岡幸二郎はさすがの貫禄、すべてが何ランクもうえで素晴らしい着こなしも含めてキャストは大いに勉強になったと思われる!結構いい内容だったけど、チケットがあまり売れてなかったな…こういうのってどうやったら売り切れるんだろうね…?
■11月 星組公演 政界コメディ『記憶にございません!』-トップ・シークレット-原作/映画「記憶にございません!」映画脚本・監督/三谷 幸喜、潤色・上演台本・演出/石田 昌也
→映画もこちらも面白かった。星組のコメディセンスは抜群(特にひーろー、泣いた)である。ひっとんの退団公演がこれでいいのかと思いつつ、メガネのありちゃんがかっこよくてすべて許した。
カルナバル・ファンタジア『Tiara Azul -Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)』
作・演出/竹田 悠一郎
→記憶でふざけた分、ショーできっちり取り返してくる熱いラテン。スチールからかっこよく!黒塗りせずアルゼンチン美女ひっとんのチョンパから始まり、ゴージャスなの場面が続く構成。ルカとエリアナ、イグナシオの通し役が良い!!眩しすぎる星(ヒトミ)のテーマ設定も憎い。個人的に宝塚歌劇
ニックウィンストンの振り付けを正確に消化する星咲希ちゃんがいいです。
第四章からの怒涛の色分けが星組にぴったり!誰が振付なのかなと思ったら意外にも百花先生!素晴らしいです!でも極美率いるアマリ―ジョレランパゴ黄のシーンが短すぎる!トゥルケッサテンタシオン緑も、ナランドマヒーアオレンジも十分に上手いのに、イグナシオ率いるロホアパショナード赤の貫禄と技術…これはもうどこの組にもまねできないというか…RRRを通ってきた組だなと感じます。ロサアマールひっとんのピンク衣装はこれまで見た中でTOP3に入るしごでき衣装でした、植村麻衣子先生、天才!
夜明けの裸足ダンス、イグナシオのタンゴとビッグナンバーが続き、もう驚かないロックナンバーの階段群舞…さすが平澤先生…。フィナーレのティアラ確定演出もあまりにもベタだけど本当にそれを望む観客の心とリンクして…竹田先生のデビュー作はかなり評価の高い滑り出しとなったのでは?
サヨナラショーも憎い演出続きで涙が止まらなかった。ひっとん、お疲れさまでした…。
■12月 雪組公演 ミュージカル『愛の不時着』
→ドラマ視聴済、配信で視聴。イケメンあーさと、派手な美女夢白がこれでもかとハマったキャスティング。ストーリーは相当駆け足で、すわっちはかなり難しい役になってしまっていたがうまくまとめていた。せおさんはキュンキュンさせるポイントをわかり過ぎている!かすみんの清楚でキュートな役作りも良くて雪組の底力を感じた。フィナーレのデュエダンはもっとヅカっぽくても良かったような…。
■12月 OG公演 SPECIAL ENTERTAINMENT STAGE『RUNWAY』
→配信で視聴。スターっていうのは何年経ってもスターなんだなと実感。あまりもオーラがある往年(というほどでもない人も含め)トップスターの饗宴。激熱演出が多すぎる!個人的に一番好きなCONGAが令和によみがえるのが嬉しくて泣いた!とても素晴らしくて、また周年の時にはぜひ稲葉先生に取りまとめてもらいたいと感謝しかなかった。北翔海莉様の最高の陽水忘れません。
2024年の観劇を振り返る(2024/7-8)
日が経ってしまいましたが8月までの観劇の記録です~。
推しが今年退団してなかなか筆が進まず…記憶を頼りに…。
- ■7月 花組公演 ミュージカル『ドン・ジュアン』≪DON JUAN≫ un Spectacle Musical de FELIX GRAY、Licensed by NDP PROJECT 潤色・演出/生田 大和
- ■7月 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Renegades of Female-
- ■8月 OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」
- ■8月 ミュージカル「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
- ■8月 宙組公演『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』作・演出/齋藤 吉正
- ■8月 月組公演ミュージカル・ロマン『琥珀色の雨にぬれて』作/柴田 侑宏 演出/樫畑 亜依子
- レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』作・演出/中村 一徳 月組全国ツアー
■7月 花組公演 ミュージカル『ドン・ジュアン』≪DON JUAN≫ un Spectacle Musical de FELIX GRAY、Licensed by NDP PROJECT 潤色・演出/生田 大和
→だいもんの名作ではラファエルを演じたひとこが今度は主演に…感慨深い。花組版ドン・ジュアンの大きな改変はとにもかくにも騎士団長/亡霊の存在…。綺城ひか理の集大成というか真骨頂を拝見しました。片目だけ生きているときの素肌のようなものが見えているメイクにもあるように、どこか愛があるイケメン亡霊…(本当に真摯に婿入りしていたら義理の息子になっていたわけで笑)あかちゃんの最高なところは役作りとは別に、どこか役者の本質がにじみ出ているような思いやりや優しさを覗かせる風合いが魅力だと思っていて(ご本人というより受け取り手の問題であるが)今回もおどろおどろしい役の中にあるその素養が、ひとこドン・ジュアンの他者を愛することで自分を愛することを知ってさらにそれを上回って他者に捧げる愛という名の呪いに密接にリンクしていくのが同期だけが出せる信頼の中で見れて本当に素晴らしかった。母との確執エピソードが抜かれているせいで自我との勝負になっていたせいか、ひとこドン・ジュアンは哲学的に折り合いのつかないフラストレーションを抱えているようなご自身持ち前のクレバーさが前面に出ている面白い役になっていたと思った。だいもんのひりひりする焦燥感や背水の陣感とは違っていて、でも高いクオリティーで。最後になりましたが深音ちゃんは最高にかわいくて歌も踊りも上手くて大満足でした。総評、前回も今回もこの作品に関わるスタッフや先生の熱がすごい!出れた下級生たちは幸せだろうなと思いました。
■7月 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Renegades of Female-
→結構欠かさず見ていたステがまさかのキャスト卒業に伴ってぱったり追わなくなっていたところに中王区!しかもうきちゃん!ということで配信観劇。正直クオリティーはあまり期待せず見たのですが、結論かなりおもしろかった。邪答院 仄仄の太田 夢莉さん、天都己 一香の田野 優花さんが良い感じにキャラとして生きていたのが想像以上に痺れた、ご本人たちも相当手応えあったんじゃないのかな。うきちゃんはたっかいヒールで全く体感崩さずに踊っているのが頼もしくて尊敬でしかなかった。一部微妙な実力のキャストもいて、でもその不協和音も彼女らの一生懸命さで帳消しにできるぐらい役として息づいてたのが昨今の中では群を抜いて良かった。これは全員女性ならではの良さだったのかな?これと同じ清涼感は刀剣のぐでんで味わったし。CHU-OH DANCE BATTLE“C.D.B”もかっこよかったな~。
■8月 OSK日本歌劇団「レビュー夏のおどり」
→ドラマで話題の翼君を一度見たく、新橋演舞場で観劇。OSKデビューだったのだが、まさかの楊琳さんと舞美りらさんのサヨナラ公演(この時点では次期トップ発表されておらず…)でチケットもなかなかの売れ行き。娘役トップスターが二人いる事や宝塚劇場よりずいぶんカジュアルな客層、ピンクのフリル傘等諸々に驚きつつ、レビュー自体はあまりタカラヅカと差異なく見れた。潤沢とは言えないだろう予算や人員の中で創意工夫や努力の跡がたくさん見られて感動しつつ、やはり翼君だけ明らかにモダンな芸風で一際目立っていた。翼君がトップになって夏のおどりを見るのが今から楽しみ!
■8月 ミュージカル「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
→推しの仙名様(ご結婚おめでとうございます!)がヒロインのため二回観劇。最近は本当にチケットが高い…。マイ初日はゆきちゃん休演でしたが二回目でやっとブレンダゆきちゃんにお会いできました。代役の清水彩花さんのおかげで舞台が繋がりました、ゆきちゃんの歌い方にかなり寄せてくださったのでありがたかったです。一幕はセリフもほぼなく出番は1分もないぐらい、二幕も後半にソロがありますがほぼ出番はなく…。まあかわいい衣装で満足です。
■8月 宙組公演『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』作・演出/齋藤 吉正
→観劇したが、舞台の演者は勿論、客席が様々な思いを抱えているのが伝わってきた…それほど静寂な公演だった。健康に全舞台人が過ごしてほしい前提はありながら、チケット代を出して観劇する側としては全員平等の出番とかいうのも違うしこのスター制度の中で輝いてほしい…でも無理はしてほしくないし…色々考えながら見てしまった。結論は出ないので次回に持ち越し。
■8月 月組公演ミュージカル・ロマン『琥珀色の雨にぬれて』作/柴田 侑宏 演出/樫畑 亜依子
→ザ戦ぶりにマイティ見たさに配信で視聴。名作だけどやっぱ共感できん。そこも含めて男役のファンタジー勝負。クズ男でいかに夢を見せられ続けるか…結論ちなつはすごい。
レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』作・演出/中村 一徳 月組全国ツアー
→あまりにも安定感があってちなつのトップ就任に何の懸念もなくて平伏したい。マイティという踊れるスターの存在が安定感ある月組にどんな効果があるかと思って期待して見たアヴァンギャルド、正しくかっこよくていい刺激になったのでは。きよらとのケミも相当良くてまた見たいと思わされた。華やかなあましはただそこにいるだけでクールなちなつとの相性が抜群で良かった。
2024年の観劇を振り返る(2024/5-6)
あけましておめでとうございます
またしても日が経ってしまいましたが5.6月観劇の記録です~。
- ■5月 雪組公演 彩風咲奈ドラマティック・リサイタル 『ALL BY MYSELF』-BLOOM’S COLORFUL MEMORIES- 作・演出/野口 幸作
- ■5月 雪組公演 バウ・ヴォードヴィル『39 Steps』 原作/ジョン・バカン「三十九階段」 脚本・演出/田渕 大輔
- ■5月 雪組公演 ミュージカル『仮面のロマネスク』~ラクロ作「危険な関係」より~ 脚本/柴田 侑宏 演出/中村 暁
- ショー・パッショナブル『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~作・演出/藤井 大介
- ■5月 舞台「サイボーグ009」
- ■6月 月組公演 ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』作・演出/正塚 晴彦
- レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』作・演出/中村 一徳
■5月 雪組公演 彩風咲奈ドラマティック・リサイタル 『ALL BY MYSELF』-BLOOM’S COLORFUL MEMORIES- 作・演出/野口 幸作
→配信で視聴。かせきょー大抜擢、いわば継承公演。憧れの咲ちゃんへの取材を通して、これまで演じていた役、公演について劇中劇のような形で振り返る大成功したファンかせきょーとめぐりめぐるリサイタル。今までに演出家にスターがハマる形は何度も観てきた(いわゆるミューズ?ともいうべきか)が、確実に野口幸作には彩風咲奈が必要で、逆もまたしかりだと。ワイルドアンドセクシーがトレードマークになったsuper voyager!から強くしなやかでかっこいい咲ちゃんが確立されたのをまざまざと感じ、これほどまでに素晴らしいダンスはあるのかと思う海の見える街…。黄色のスーツがしなやかに躍動し、配信でさえ涙が…。客席はどれだけ涙しただろう…。
良い意味で咲ちゃんはモンスターっぽい動きが魅力だと思っていて、指先より先に間接が舞っているようなスウィング、手足が長くて惚れ惚れするほど剣呑な目つき…。まさに唯一無二。
またこれがかせきょー以外にも継承公演だなと思うのが…各デュエットダンスの振り返りが頼もしい下級生みちちゃんのボニクラ・しらきさんのジュエパリ・せれなさんのオデッセイ…歌えば隣に雪組随一の歌姫ありすひめかちゃんが控え、大ナンバー海の見える街(見納め…)ははばまいが務める…。あまりにも強力な布陣。雪組は美しいだけじゃなく、実力も素晴らしく…。すわっちもかせきょーも実力申し分なく、雪組の底力とまとまりを感じた公演だった。ガイズ本公演見たかったな…。咲ちゃん退団後、いつかぜひともまた野口先生とDSやリサイタルをやってくださいね…。
■5月 雪組公演 バウ・ヴォードヴィル『39 Steps』 原作/ジョン・バカン「三十九階段」 脚本・演出/田渕 大輔
→配信にて視聴。カチャ集大成公演。心なしかセットも豪華?コケティッシュなカチャの魅力と天使のような笑みのひまりの明るい芝居が楽しかった。ライトな本編に比べて、後半のがっつりとした豪華な曲のスパイメドレーショーもなかなかに、デュエットダンスまで素晴らしかった。大好きなひまりの衣装が直近ポーの一族のフィナーレパートでゆきちゃんが着てたゴールドドレスなのも胸が熱い展開。。
■5月 雪組公演 ミュージカル『仮面のロマネスク』~ラクロ作「危険な関係」より~ 脚本/柴田 侑宏 演出/中村 暁
→名古屋遠征にて観劇。
正直に言うとあーさにはあまり合わなかったかもしれない。あの美しさで人を篭絡していくのには説得力があるが、それにしては夢白さんが少々円熟味が上回り過ぎているというか…。娘役だからこそという部分がなくなってしまった…?上品さにかなり欠けているというか…いったん原点のお花様バージョンまで品を戻してみたい。強きゃいいというものではないというか…これは前回の花組時代よりも新調されたドレスがシルバーで鋭く、また飾りで大きくなった?のもあるのかな…?芝居も歌も全く問題ない二人であるに、なんか少々違う…という感覚。ちょっとあーさがヴァルモンにしては真面目過ぎるのかもしれない?一方ともかもかすみんも大きな役を難なくこなし、他のメンバーも華やかにサポートしていて良かっただけに、なんか…やっぱり違う作品の方がベストだったのでは…という気も…。
ショー・パッショナブル『Gato Bonito!!』~ガート・ボニート、美しい猫のような男~作・演出/藤井 大介
→諸々、大介お疲れ様です。歌の申し子だいもんの公演だから少し不安もあったけどあーさ全く問題なし!なんと堂々とした立ち居振る舞い!素晴らしい出来。オラオラ系というか夢白さんに負けないような魅力大爆発なナルシズムが夢白さんの勝気ムーブを封印できて、こっちのケミは良かった!あがたは小綺麗にまとまってて逆に物足りない…もっと元気よくやってても良かったのに!せーみのダンスがめちゃ目を引きました。豹でさんちゃん覚醒、ともかは勿論かすみんやすわんもかわいい顔してダンスは相当かっこいい…!このメンバーにぴったりのショーでした。やっぱりラテンは楽しくていいね!
■5月 舞台「サイボーグ009」
→観劇1回、配信でも視聴。元々Dアニメで009は観ており、大好きな作品。
諸々のキャストの発表の仕方から確実天華えま復帰戦だと確信して待ってチケット備えていましたが、それはそれとして純粋に植木ワールドがピタリとはまり過ぎていた。というのも植木さんが009に愛が強く、作品の本質をはっきりと捉えた故に主役に抜擢した七海ひろきの持ち味があまりにマッチしているのがとにかく勝因すぎたわけで…。少し公演時間が短いのだけが勿体なかった、それほどまだ見たいと思わせるいい作品だったということですが。
・完璧で合理的なキャスティング
最初発表時はかいちゃん!?とびっくりした。居並ぶ2.5の若手俳優には動ける子もかっこいい子もジョーに似ているような子もたくさんいる中で、わざわざ(かっこいいけど)何故かいちゃんなんだと思ったが…ジョーが攻撃されても呻きながら立ち上がり、確固たる歩みで全てにひるまず立ち向かう様はどう考えてもかいちゃんしか出せない…と涙が出たのが初観劇時の感想である。国籍不明の寄る辺ない優しい若者はかいちゃんそのものである。何故なのかわからないが歩き方一つにジョーを感じる、もう魂で共鳴してる。植木さんが見せたいのはマッハ5のド派手演出(植木さんは普段であればここにこだわりそうなのに、009へのリスペクトが勝った)ではなく、争いたくないという芝居なのだとわかる。
ジェットリンクの高橋君のアクロバットに驚き、その他キャストも適材適所で素晴らしく…。水中Toyotaka兄さんをここまでうまく使えるのは植木さんだけ。そしてフランソワーズ…ここ集客の事考えると安易にアイドルとか使ってもよさそうなところにまさかのみのりさん(はるこ姉)…そう!そうなんだよとひざを打つヒロイン力!これぞ、品格。姉であり母のような昭和のヒロイン、単に戦いたくない!とヒステリックになるのではなく、言葉を尽くそうとする姿勢…。生身の部分が多いフランソワーズを一生懸命守るサイボーグたち…これが見たかった姿…!宝塚歌劇団ではお馴染みの二人のデュエットダンスは他の役者さんのファンや石ノ森信者の皆さまにはどう見えていたのかな?ジョーとフランソワーズは良い感じのシーンもあるからボーナス的な感じで嬉しかった。
そして今回の敵役、プラスマイナス。りたくんの照明含めたアクションに度肝を抜かれ、たきりょの正確な芝居で示されるラストへのクライマックス…あまりに哀しい最期…。アニメ版含め、フィクションで描かれる悲劇を50年続く感性で受け取って悲しむのがある意味豊かな世の人間なんだよな…。DD中塚さんスカールは見事過ぎてよくぞ出てくださいましたと大拍手。
・009の本質
パンフレットで亀田さんも書いていたが、とにかくテーマは「平和への願い」である。1964年から続く非常にシンプルな祈りは2024年もまだ叶えられたとは言い難く、続く人の世の中で避けられない命題であり…。
サイボーグのメンバーはだれも望んでこの姿になった者はいない。抗えない悲劇に巻き込まれた被害者であるにもかかわらず、兵器ではなく人間として生きるために目指すテーマが平和なのだ。悲観的な時もあったけど皆が誰かや世界のために強い志で人種や考え方を超越(数十年前からこれを考えていた先生はすごいよね)して団結する姿。敵がどれほど脅威(これがまた概念であるからして終わりのない戦いなのが辛く…)であろうとも決してあきらめない「勇敢さ」が昨今の作品にはないような…ピュアなこの混じりけのない強さは石ノ森章太郎作品の源である。
・まとめ
自分のほかに誰も傷付かないでほしいという自己犠牲精神、それが優しい9人(まあ、この時点でイワンにはないかな)の根底にあり、令和の時代でも胸を打つ。
原作の有名なシーン、夜空を眺める子供が燃え尽きるサイボーグたちの光を綺麗な流れ星だと見つめながら、弟は「おもちゃのライフル銃が欲しい」とつぶやく。対して、姉は「世界に戦争がなくなりますように…世界中の人がなかよく平和に暮らせますようにって…いのったわ」と返す。本当に良いシーンだよね、ライフルは永遠に玩具(偽物)であるべきだし、争いの火種の一端になってほしくない気持ちも両方体現している。どうにかして「どこに落ちたい?」まで見せてくれないか、植木さん。
■6月 月組公演 ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』作・演出/正塚 晴彦
→配信含め3回観劇。
・雑感
はっきり言って全く意味が分からないストーリー。何が伝えたいのかとかこれが最後の作品!?とか言いたいことは多々あれど、それらをすべて凌駕する月城かなとの芝居にただただ圧倒された。とにかく作りこみが精緻。我々には伝わってないけどトップコンビの中できちんと腹落ちしてるんだなと安心して見ていられる。マサツカ先生の面白い小さい芝居、ティーをお持ちしますかや地面を掘り返すくだりはもう大好き。主役の「ああ」とか「うん」で全て伝える技量が必要なシーンも正確無比に提示してくるスターは本当に凄いし、あの空気感はマサツカ芝居でしか出せないよ…。
・理解を示すが微妙だった点
昨今の痛ましい事件の中でプロットをたくさん変更したであろうことはあらすじの変更からも伝わっているのですが、あえて書くとやっぱり死者の声はあのオーロラのようにぼんやりとしたメロディは弱すぎるし、叫びや慟哭も結果的にマイナスなものだけではないのだからヒロインをりりの歌(歌詞)で導かなければミュージカルとは言えないと思う。二人の能力の差をつけているのであれば例えばヒロインを通して同じものが見えたり、聞こえたりするシーンで二人の結びつきをどんどん強めて最終的に二人なら乗り越えていける!の方が退団作としてはエモかったのではないかしら、安易であることは承知で。あまりに自立していてさすが月城海乃コンビだなと納得はしましたけど…。そしてみちるの使い方も少しヒステリック一辺倒すぎて、弟の能力を守るとかもうちょい良い側面も入れてあげたらよかった。かつ次期の決まったあましとの雑な決闘もあまりいい気分で見ることはできなかった。本人らは気にしてないとしても…。
レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』作・演出/中村 一徳
→完璧。衣装も豪華(アルカンシェルと大違いなのがこれまた…)でもう月城かなと集大成公演、やりたかったことが全てつまっているはず。B先生ありがとう。壮さんやちぎちゃんの公演を思い出す構成。
・特に印象に残った場面
アヴァンギャルドのメンバー皆素晴らしかった、月組がこういうのやるの珍しいからかなり気合入ってたと思う。若手はやはり一輝くんイケメン…!ルナルージュのぱるも上手くて良かった。いちごちゃんが率いて踊るシーンかっこよすぎ!雪月は団体賞では?最後の振り返った月城かなと伝説だと思う。後世に伝えるべき名シーン。Moonriverはぱるあみで実力派。ムーンライトセレナーデはみうみんがかわいくて新人公演取れなかったのが悔やまれる。愛の喜びはみりゆきカサノヴァのデュエットダンスドレスを思い出す水色レースの美しい衣装のきらめきが良かった。
・サヨナラショー
デステイクスホリデーづくめで、二人エンディングも含めて意外と(失礼ながら)れいこちゃんって宝塚のコンビ制度に熱い魂持ってるんだなと震えました。どう考えてもれいこちゃんの相手役にはクラゲしかいなくて本当に二人がめぐりあわせで組めて良かったなと改めて感じた終わりでした。
2024年の観劇を振り返る(2024/4)
- ■4月 星組公演 『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』 Based on SS Rajamouli’s ‘RRR’. 脚本・演出/谷 貴矢
- レビュー・シンドローム『VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)』 作・演出/指田 珠子
- ■4月 花組公演 ミュージカル『アルカンシェル』~パリに架かる虹~ 作・演出/小池 修一郎
日が経ってしまいましたが4月観劇の記録です~。
■4月 星組公演 『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』 Based on SS Rajamouli’s ‘RRR’. 脚本・演出/谷 貴矢
→チケット取れず、配信で視聴。原作映画は観ましたがと~にかく長い。インターバルありきのインド映画ですが日本で公開すると休憩ないので本当にノンストップ。血生臭いシーンも戦闘もあるのに何故か品が良くてヅカっぽいのが見てて伝わってくる不思議な作品。キングスマンとかもそんな感じ。人気のインド映画は人情や熱さが前面に出ていて、細かい心情よりも豪華でかっ飛ばすエンタメで純粋に楽しい。タカヤもそこは全くなくさないまま、戦闘をダンスに変えてバレエよろしく水と炎の精霊化(ヅカの十八番でもある)ぐらいにとどめ、とりわけ美しい世界観のまま90分版へ作り替えたギミックがすごい。映画の音楽をそのまま使えたのも強い。
・ざっくりあらすじ/映画との違い
1920年、イギリス植民地時代のインド。ゴーンド族の守護者、ビームは、圧政を敷くインド総督スコットによって連れ去られたマッリを救うため、デリーへと潜入する。火災に巻き込まれた少年を救う最中で出会ったビームとラーマ。二人はお互いの素性を知らぬまま、熱き友情を育んでいくがラーマの正体は、インド人でありながらビームを捕らえスコットへ引き渡そうと目論む警察官。マッリ救出のためにスコットの館で激闘するも捕まり、群衆前で鞭うたれながらも決して信念を曲げないビームの行く末は…。
大きな違いとしてはスコットの姪、ジェニーの思いやりに心を打たれたぐらいのロマンスで、トップコンビに恋愛はないです。ビームを助けてラーマが牢獄に入れられてからのシーンやインターバル後のラーマの長い回想がかなり短縮されています。
・とにかく素晴らしい技術と配役
ナートゥを踊るための三星れいまこ、ありちゃん、ひっとん(そしてぴーとあまと)。奇跡的なダンサーが集う体制はRRRのために用意されたかのような完璧な布陣です。星組にぴったりの熱くて素晴らしいパフォーマンスはダンスパーティーだけではなく、個人的には碧音君を助けるシーンの炎チームの恐ろしいダンスとマイム…105期のるりなちゃんまじでかっこいいです!冒頭れいまこの猛獣登場も、むち打ちも素晴らしく、後半のありちゃんの矢を番えてのダンスの肩も良すぎてぜひとも現場で見たかったなと思いました。ありちゃんがトップになった日には是非ラーマ編もやってほしい!
レビュー・シンドローム『VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)』 作・演出/指田 珠子
→とにかく難しいショー。栗田先生の万華鏡が性善説ベースだとしたら、指田先生は性悪説ベース。これはもしや?と邪推する表現も結局観る側に解釈が委ねられている(指田先生自身も歌劇で解釈を定めていないと明言してたはず)というか、路線スター以外(特に下級生)を好きな人にはなんとなく突き放されているようにも感じるのでは?それぐらい斬新なショーでした。でもこれを今の時代に作るには理由があるはずで、ある種の演劇人への𠮟咤とエールなのかなと思います。ちなみに個人的にはかなり好きな仕上がりで次にも期待大です。
・印象的な演出、演劇への向き合い方
ショーは冒頭から栄枯必衰を思わせる妖しさと寂しさを纏わせて始まります。かつていた劇場の中孤独に彷徨うれいまこ。生い茂る草木の中復活したスター女優(中詰めの衣装と形が似ている)を思わせるひっとん。劇場には豪華な菫色の衣装を纏ったスターが前面に構え、後方には黒く暗い色味の衣装のメンバーが控えます。まあある種路線やスター制度を強いている演劇へのメタファーにも感じられ、そこからありちゃんのわかりやすい演劇人のライトな悲哀へ。(このシーンだけは誰でもわかるような作りなのが逆に少し恐ろしい)
平沢パレードの蛇と少女のシーンも歌や表現がシャープで良かったですね。中詰めは着飾ったままにロッカーさながら歌い踊り、これまた後方と前方で衣装の違いが明確に出ます。黄・黒の危険な配置の色のダンサーに囲まれたれいまこ、同じ目標や志はあれど演劇の世界で隣人は役を奪い合うライバルであることを思い出させるようなおどろおどろしい表現もちらほら続き、スター制度の頂に立つものはどんどん孤独に…。また出番が多い程役と自分が切り離せなくなるほどに没入するような世界線、まさに演劇シンドロームも垣間見えて一介の観客もドキドキハラハラするような不思議な感覚に。
最後の群舞はいつもより少数精鋭?サングラスを纏って一見誰かわからないように。にもかかわらず、スター順(ピラミッド)に並んでいれば認識できるヅカならではのトリック。またファンであればサングラスしていても人はわかるんですよね、これまたおそろしいことに観客にも演劇シンドロームを指摘されているかのような…(サングラスをしていてもわかる=劇場や役者への観客の執着)目線を逆手に取られている皮肉的な表現を夕闇(在りし日の栄光の終わり)の中感じて、陽が落ちた後のデュエットダンスへ…。キングマストダイ、孤独の中で、それでもなお二人でいるトップコンビ。燃え尽きた後の劇場の思念体みたいで静謐。
・まとめ
色んな媒体でスターたちが言ってたけど劇場や生の芝居への執着がテーマなのかな。そしてそこに付随する演者やスタッフの悲哀や悔しさや憧憬…努力が結果に結び付かないこともある世界だからこそ眩しくて…光が強ければ闇も濃い。多くの人の頂点であるスターは輝かしくも孤独、その責任は如何ばかりかと…。だからこそヅカの演劇やレビューは面白くて唯一無二で、原点回帰でもあったんじゃないかなと思います、週刊誌に現役の生徒が暴露なんていう訳の分からん記事が出る時代に…。そもそも「現役の生徒」自体が真実ではないでしょう、内容に当然信憑性は一切ないです。それはわかっていてもそんな意味不明なものが世に出ているという状況が問題であって…、また信じ込んで騒ぐ外野も一定数います。他所での足の引っ張り合いのような真似を許さず、演劇そのものがやりたくて皆劇団に属しているという気持ちを指田先生の演出は初心を思い出させますよね。
唯一ちょっとわかんないのが歌詞。つま先って何?うまいこと伝わってこなかった…。
■4月 花組公演 ミュージカル『アルカンシェル』~パリに架かる虹~ 作・演出/小池 修一郎
→縁あってSS最前列で観劇。事前にムラ配信も観たので動揺なかったのですがやっぱり凄いオーラに気圧されました。休演もありましたが、トップコンビ集大成全身で感じました、カレーは男役極めてて本当に男性かと思うようなシーンもあり、まどかの可憐さに痺れ、、本当にありがとうございました。
・感想(良い評価ではないので読まない方がいいかも)
もう何書いても「駄作」としか言いようがないです。配役も内容も円熟したトップコンビに相応しいかと言われるとノーだし、新体制への展望も感じられない作り。カレーとまどかは素晴らしいけど、一旦置いといても他が本当におかしい。
何度故意にミスっても周囲に怒られないし、徐々に左遷されるだけのひとこ演じるフリッツ。冒頭は軍法より音楽の優先度が高く、好きな女がいるだけで自国を裏切る無茶を何度もしておいて、最終的に爆破の通信部隊にいて…これマルセル飛び込んできてなかったら芸術と好きな女の街を爆破やむなしみたいな…?あまりにこうもり状態すぎる!(ひとこはよくやっているから余計…)フリッツに秘書官つけるとかなんとかしてこの夢見がちおぼっちゃんは~~みたいな振り回され役がいればまだこの役の突拍子もない感じが逆に出て自然だったかも…。
また着た切り雀状態でただ現況を説明(歌手なのに)するだけのナレーターせーの。せーのの時代のシーンを作るとか…なんとかできない?あとアコーディオン奏者の子と血縁関係が遠すぎる。同じ名前以外にも同じレビューに立っているとか、今でもこの歌はパリのレビューで歌い継がれています!とか言って一緒にレビューに参加するとかできないもんですかね?これで三番手はおかしい…。
正直推しのあかちゃんのジョルジュが一番儲け役でした。ジョルジュだけ照明や衣装とかもこだわられてて、まさにジョルジュの感情や行動の変遷がパリの街とリンクして物語が進むキーパーソン的な存在です。理想としてはまゆぽんのコンラート役を大きくしてひとこがやって、ジョルジュ役をもっと大きくしてせーのに演じさせるのが良かったような…。フリッツがあかちゃんでも全然OKでしょ。他の路線男役にももうちょい色味が欲しいような…。
まあ当初とフリッツが変わったような台本の話もちらほら出ていたし、内容ではなく元よりイケコだからOKが出たんでしょうかね…。豪奢で素晴らしい衣装や予算の使い方が魅力でもあったイケコの十八番も、何故か有村先生ではなく、薄井先生の衣装(デザインが悪いとかいうわけではなく…元々かけられる予算の問題かと…)で…まどかの衣装なんて毎回違うもの着てても良いし、ショーのドレスはもっと一人だけ豪奢なの着てても良いと思うんですよ、戦時下だろうと昔だろうとレビューのスター設定なんだから。それなのに使いまわしが多いし、JAZZシーンも茶色やベージュがメイン。派手なラテンが一番良かったような…それだけにJAZZじゃなくて良くない?という気持ちさえ…。デュエダンもすごいシンプルで健康的なドレスで…踊りやすそうではあるが…。舞台装置もシンプルで、ミスタンゲットの階段一本だけ。退団公演なのになんか…。
・ジョルジュという男
ジョルジュの悲哀がパリ崩壊のトリガーとなり、また奇しくもパリを救います。さっきは微妙な脚本や演出だと評したのですが、何故かジョルジュとコンラートはいいのよ。あかちゃんはかなり丁寧に個の変遷が出るような作りにしていましてさすがだなと思いました。
元々音楽エリートで裕福な家庭のジョルジュ。アルカンシェルにはバレエや踊りをどこかで学んだこともない演者もいる中、彼は常に指導、アドバイスする側の人間であり、それは歌姫カトリーヌであってもそうでした。看板ダンサーに負けた(ジョルジュはJAZZ版では目立つ出番がない)こと、酒場でアブサン(ムーランルージュでおなじみ)に酔って巴里女にバカにされたことで、承認欲求や自尊心はさらに捻じれていきます。酒場に行くまでも酒場でも巴里女が自分のテリトリー以外の男に媚びているのを見て激昂しているので、恐らくドイツ男のフリッツやダンサーのマルセルに女たちの好意が向いたのに重ねて苛立っているのがわかります。そこでコンラートに当然のように大卒かどうか、何の音楽専攻で学んでいたか問われ、はたまたフランスとドイツ音楽の談議に加わるように請われます。(ここの酒場はレジスタンスの仲間がいますが、その前のシーンで奥の席の使用を断ったことにより、他の店に連れていかれたことでジョルジュとコンラートの関係がぎりぎりまで露呈しないのは上手い演出!)自分と同じ、それ以上の水準の人間に認められたようで彼には僥倖にも思え、むしろ蔑ろにされるアルカンシェルよりも住みやすい環境になり、特に後悔もなくコンラートからドイツの帽子を受け取ります。
後半サセジャズでセリフはないシーンでジョルジュは帽子を脱ぎ、集団から抜けて自国民を裏切ることに対して後悔を見せますが、もう元には戻れない道で、また帽子をかぶって戻り、銃で言われるがまま同胞の無抵抗な民衆を撃ちます。その後、爆破操作所で彼はパリを爆破しようとする上官を撃ち、愛する街や人を危機一髪救いますが…マルセルに縋る咆哮、その時にはドイツの帽子は取れているのです。気持ちはパリ側に戻りますが、自分のやったことは誰にも決して許されないとわかっているのでドイツ帽子を掴んでかぶり直し、立去った後であの投降シーンへ繋がります。つっらい。
以上、ジョルジュ信者でした。
(ちなみに投降時深音ちゃんがジョルジュのことめっちゃ悲しい顔で見てくれているのが嬉しい、ちょっと好きだったりしませんか…)
2024年の観劇を振り返る(2024/2-3)
最近見た公演の感想をつらつらとメモです。
- ■2月 戦国時代活劇「HIGH&LOW THE 戦国」
- ■3月 舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3
- ■3月 望海風斗 ドラマティックコンサート『Hello,』
- ■3月 柚香 光 ディナーショー「Expression!!」
■2月 戦国時代活劇「HIGH&LOW THE 戦国」
→観劇1回、配信も視聴。当方LDHのFCに入っているほどのオタクであり、ヅカファンでもあり、企画の発表から情緒が大爆発状態。とにかくよかった。相性がいい。(特に樹~~~)互いの畑の最もなかったような部分を双方の演者が埋めるというエモすぎる演出。紀久がヅカの階層や世界観をよく理解してくれたからだと思う、まじでありがとう。歌舞伎町のミラノ座は正直キャパ狭いし治安が心配だったけど、終わった後に居酒屋フロアでDJがチュートレかけててあの空間の雰囲気が面白かった。
・ざっくりあらすじ
戦乱の時代、かつてその一帯には五つの社が建てられ、社の周辺はそれぞれ国が栄えていった。
以前は緑豊かだったが、内乱によって砂漠と化した《須和国》。河口に栄えた水の都《乃伎国》。
生まれながらに戦う戦闘族が集まる火の国《尊武国》。ここに《袁空国》、《佐峨国》を加えた五つの国が群雄割拠する時代。社に封印されたチカラを解き天下を治めんとする野望が、《須和国》《乃伎国》《尊武国》の三国を巻き込み大合戦へと発展していく……!
・本当に良かったところ(紀久への愛と感謝)
考えるな感じろの物語、全員主役のハイローながら、一応ヅカの番手にも配慮。紀久の雑誌での事前インタビューで翔平に今は若いから明るくてムードメーカーキャラだけど大人になってそのおちゃらけキャラが活かせなくなる前に今一度他の表現等も見直した方がいいみたいなことを言っていたのが本当にしみて。(ごめん超意訳)陸には足し算じゃなくて引き算の芝居を要求したり、自社制作ゆえにLDHキャストのキャリアを発展的に伸ばそうとしているのが伝わってきて本当に紀久率いるチームに感心した。宝塚では当然のことでも(スター制度含め、生徒育成の土壌)外部でこれだけ色々将来的なことを勘案して指導してくれる現場はないと思う。そしてまたこれに応えるキャストの4人の男(小野塚は元々良い本業の役者なので除く)が素晴らしく真摯で好感。多分有村先生の素晴らしくクオリティーの高い衣装に身を包んだあのビジュアル撮影の時に覚悟決まってたと思う(CLで見れますよ~)比較的ほかの子よりも与えられたものに真面目に取り組める4人だと思うので人選もGOOD。われらがマイティもせおもスターとして純粋にかっこよくて熱くて、宝塚好きで良かったとなぜかこちらが嬉しくなってしまうほどの出来だった。とにかくお互いのファンがそれぞれの出方を伺いつつ、そっと席に座り、観劇後にお互いの推しを褒め合うあたたかい空間、その後のSNSでの交流等、すごくファン層を広げて意義のある交流戦だったとひしひしと実感。続編にも誰か出ますか?今から楽しみです!!
■3月 舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 3
→アニメ、映画はほぼ全て視聴済。舞台も1.2観劇、今回は舞台の完結版にして新キャストも登場。すべての解まで描き切った最高傑作をまさかの初日に観劇。まさかの煙り燻らす拡樹の静寂な冒頭が印象深かった。こちらの歌舞伎町のミラノ座は映像映えしてよく合っていた。とにかくキャストが会見で清々とした笑顔なのも納得の出来栄えです。
・ざっくりあらすじ
人口監視官育成計画によって生み出された公安局刑事課三係監視官の九泉晴人は、同じ監視官の嘉納火炉(舞台2)と対立後(舞台1)、休職。心理カウンセラーの林崎仁哉(顔はまたしてもお気に入りの蘭具)のもとでカウンセリング(という名の再洗脳)を受けていたが、火炉の後輩の海堂自我監視官が率いる公安局刑事課三係に復帰し、多様な執行官らと学者殺しの事件の捜査を行うことになる。殺害された学者と「イリュージオ」という人気歌手の事件への関連に気付き、イリュージオのライブを阻止しようとライブ会場へ乗り込むが妨害の中で次々と倒れる仲間たち。海堂の人格も揺らぐ中、事件の鍵を握るイリュージオの正体・九泉の過去が暴かれる。
・1~2の振り返り
1回ずつ主要な議題があり、それに対する登場人物の現時点の解が示されるという形で時系列的には2→1。1は「中国語の部屋」「哲学的ゾンビ」、2は「トロリープロブレム(トロッコ問題)」。
舞台2のトロッコ問題は、レバーの切り替えで5人(秩序と平和)か1人(潜在犯)かどちらの命を救うかどうか。助かる命が多いという結果に変えたことを最善とみなすのか、はたまたレバーを引かない(選ばない)ことで誰も故意に殺さないということを評するのか…。最大多数の幸福を選択するのが合理的で機械的思考のベースとなりますが、荒牧演じる神宮寺はそこに故意に切り替えた先を悪人(そうなるべき人間)であれば良いとみなすことによって解決できると詰ります。命に大小の判定をして潜在犯になら社会は何をしてもいいとみなすシュビラ。まだ何もしていない潜在犯であっても人権はない。彼も深淵を覗き過ぎた代償に、告発と引き換えにトロッコの一人として処理された訳で、生まれながらの監視官ではない火炉の情緒はめっちゃくちゃになります。監視官(=自由)にあこがれた部下や弟分&監視官の本来の姿(いつきさんの言動)を信じて理想の自分になるべく神宮寺を撃ちますが闇落ちした彼の思想(廃棄区画の連帯、執行官の数値の自分)に触発されて?本能の自分に従い科学者を斬ります。火炉も犯罪係数を調整され、実験のために負荷をかけられていた状態ですからなおのこと…。
そして舞台1では中国語の部屋(マニュアルがあれば何もわかってない人間でもその作業はできる=部屋の中の人について中国語を解するかどうか証明できる手段がない)は哲学的ゾンビ(人の形をしているが意識がない者)を生み出す装置として描かれます。シュビラにより、この世界の人々は適切な選択を先回りして解を提示してもらう環境に身を置くことになります。自ら選び取ることをやめて、最大幸福に準じて福祉支援として解を受け取る姿は思想や感情の抜け落ちたゾンビで、シュビラに抵抗するヒューマニストは独立という意思をもってゾンビではない人間らしさの証明とします。自由意志とは何か?ここでキーポイントとなるのがシュビラはシステムでありながら完全なAIではなく、犯罪係数計測不能の脳を集めてバイオコンピューター化しているということ。結局シュビラには意思があり、真の意味で元来公平ではないのが皮肉なことで…(地獄の季節…)。九泉は哲学的ゾンビですが、ヒューマニストにも火炉の手も取りませんでした。その礎ともなる彼の意思が明かされるのが舞台3という感じです。
・めっちゃくちゃ拙い感想(罪と罰)
馬場以外のメンバーの犯罪係数の要因がとても弱い(なので戦闘能力然程高くない)ことが不気味な始まり。復職した九泉は周囲と上手くやれる熱い人間に変わっており、そのせいかすぐ三係(かわいらしい子がいっぱい、かえって残酷なことでもあるけど…)に馴染みます。明らかに海堂を模範的なリーダーとして据え置いて動きやすい人員配置であり、植え付けた記憶の綻びになりうる元の記憶通りの幼馴染鹿取を傍に置くことで海堂の脳内をストレスで摩耗できるかという耐久実験の妨げにならないようになっているのが見て取れます。ヒューマニスト、NNDと続く今回の敵?は歌手。シュビラの盲点としてイリュージオの歌声(改造手術済の兄妹)はシュビラ社会を揺るがす脅威となり、これを止めることになりますがメンバーは次々と殉職。特に鹿取は錯乱した海堂に撃たれますが、海堂のシュビラによる洗脳も知らない彼が信じ続けた友達にかけた言葉は「自分の事を嫌いにならないで」。多分シュビラにこの言葉は予測できなかったはず…人の数だけ人生はある…。
お待ちかねの九泉過去編ではなんでもござれの廃棄区画で暮らしながら、子供たちの良き兄貴分で正しくありたい欲求が殊更に強い人間だったことが描かれました。九泉も火炉も海堂もあるいは神宮寺も、人口監視官の適正においてはリーダーシップや他人への積極性みたいなところが重視されているよう。人攫いで“大したことのないお金”を九泉のために稼いでいた自分の親に絶望して刺しますが、結局それほどまでに強く自分の意思で行動を選んできた過去だからこそ今がある…(いいのか悪いのか…)結局命の価値をジャッジせず(当事者である人間には到底無理、親のやったことも許さない)、哲学的ゾンビであっても罪を背負い、人間らしさを以てドミネーターに罰として裁かれることで平和と秩序への償いや証明になったのかな。これで舞台2.1の解をシュビラと人口監視官へ叩きつけた九泉。彼は正義のヒーローになる手段として人を裁く側に境遇を持ち込めたこと自体(また罪そのものと向き合う機会)は感謝していて、一層晴れ晴れとしていたのが印象的。まさに試合に勝って勝負に負けたシュビラ。九泉の導きで育成計画から抜け出した海堂がどのような生き方を選ぶのかわからないけど一抹の希望(紙一重の不安)があるエンドです。
拙い結論ですが、合理的でほぼ完ぺきなシュビラに対する人間らしさとは?考え続けること、あきらめないことしかないのかな。ただ、この思考はシュビラには探求心でも人間には苦痛の方が大きい。温度がないゾンビから人間になっても別に救われる訳ではない。映画でも常森様が明示していましたが、支配的ジャッジではなく変わりゆくカルチャーや価値観にケースバイケースで向き合って解を法で提示するのがベストなんでしょうね。
・個人的に良かったところ
パンフレットの装丁が豪華。動けるキャスト揃い。和田は勿論、しゅーじも駿さんも心くんも全員すごい。全員健気で頑張り屋でそこがもう一番つらい。頑張ってる人ほど哀しいのがコパスの世界観。同僚を庇って倒れるのがコパスの世界観。あとはプロジェクションマッピングやドラマのような作りの映像、大掛かりに動くセットや魅せ方が本当に面白いシリーズ。本当に映像の手法なんですよね。ドラマでも映画でもいけそうなこの臨場感は他のシリーズでは味わえない。お金かかってしまうのも納得のチケット代でした。良いものを全力で向き合って作ってくださったサイコパスチームに感謝。
■3月 望海風斗 ドラマティックコンサート『Hello,』
→急遽観劇。日本青年館は何度行っても見やすくていいな~!観劇時横のブロックにはひとこちゃん等々がいらっしゃって、ドン・ジュアンの話もありました!記憶に残ったところを羅列します。
・JPOPメドレー歌が上手すぎるのは勿論ファン層に向けた親しみやすい曲選びでカラオケにいるよう笑
・本日の目玉「愛は枯れない」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」でも大ナンバーだった一曲。男役スイッチで一気に現役のあのかっこいいだいもんを思い出してハンカチを握りしめた人多そう。私もデボラとの日々を思うヌードルスロス。
・洋楽メドレー
めっちゃ踊る~~~桜木先生の振付っていいね…しみじみ。
・摩天楼のジャングル
これも「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」から。本当にかっこいい。まじで究極の男役だった。ビルの谷間すり抜けて俺たちは姿消す、夜明け前の摩天楼に…あの歌詞群を完璧に歌いこなすひとだいもん以外いない。。これどうやっても権利上再演できないんでしょうか…外部なら芳雄、デボラだいもんでも見てみたい…。
・アマポーラ いろんなことを思った。雪組、そして咲ちゃんがんばれ!
・Listen まさかの!ここで聞けるとは…。
■3月 柚香 光 ディナーショー「Expression!!」
→配信で視聴。柚香様、深音ちゃんをメンバーに選んでいただいてありがとうございました。
特に深音ちゃんの記憶に残ったところを羅列します。
・哀しみのコルドバ:カレーと深音ちゃんのデュエット。紺色のドレスで清楚で大人っぽい、寄り添い歌う姿がかわいい。ひとときの推しがトップ娘役だったらという世界線…。
・Someone To Watch Over Me:深音ちゃんとすみれのデュエット。歌ウマい…うたかたの恋でもソロがあった二人の歌姫饗宴!赤いドレスで肉もってる姿もウルトラかわい~
・秩序のもとに The Dominants:まさかの歌!!娘役がこの歌を?でもかっこいい!そしてピンクのドレス(新調?)がシンプルながら可憐で花娘らしくてファシネのドレスもこれだったらよかったのにな~って思ってしまいました。舞台写真もいっぱい買った!本当にありがとうございました。
2024年の観劇を振り返る(2024/1)
最近見た公演の感想をつらつらとメモです。
- ■1月 雪組公演 Happy“NEW”Musical『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』-Boiled Doyle on the Toil Trail- 作・演出/生田 大和
- Winter Spectacular『FROZEN HOLIDAY(フローズン・ホリデイ)』-Snow Troupe 100th Anniversary- 作・演出/野口 幸作
- ■1月 ミュージカル『イザボー』作・演出:末満健一
- ■1月 少年社中 25周年記念ファイナル 第42回公演【テンペスト】脚色・演出◎毛利亘宏
■1月 雪組公演 Happy“NEW”Musical『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』-Boiled Doyle on the Toil Trail- 作・演出/生田 大和
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・ざっくりすぎあらすじと感想
ドイルだけに創作したキャラ、ホームズが見えるようになった!大ヒット飛ばして家族で過ごせるようになった後、自分の生き方を見つめるうえでホームズとの別れを選択したドイルの行く末は…。
という覚えられないタイトルのわりにシンプルなあらすじ、作品自体は明るく楽しいまさに「Happy“NEW”Musical」。コロナや事件で苦労してきた今のトップスターの方々にはこれぐらい優しい「物語」を上演するような期間があってもいいのかなと思ってきた矢先のありがたい作品。咲ちゃんのドイルは作家(普段世には顔を見せない職業)としてスター性が少し弱まった役作り、これが出自に影響されていることをにおわせながら、大事な家族とともに自分の人生と創作物の力で切り開いていく。滝あたりの最強の敵として君臨する反転は見事!キャラクターとして顕在化してドイルをかく乱しておきながら、どこかいじらしい愛らしさのあーさホームズが最後にあっさり「君自身だから」なんて宣うあたりがやはりこの世のものではない感じが出ていて非常に良かった。編集そらのてきぱきした野心にまだ行かないで~~~と止める一員になりたい。ひまり&かすみんの姉妹も丁寧なつくり込みで素晴らしい。トップオタともかのパワフルな佇まいが特に好き。
問題に直面した際にどうすればいいのかという解として、「逃げる」という選択が提示されています。アル中の父親から家族で逃げ出すとかファンからのプレッシャーや編集からの期待によってホームズ執筆から逃げる、等。決して悪いことではなく、これによって一旦現状の問題を強制的に解決させ、ではその後どう生きるのか?ということが重要だと。また、一番大事なものは自分と家族の人生=健康であることが基盤、も主題の一つかと思います。父親や奥さんの病気は地位と名声と財産で解決できないこと、これだけは逃げても解決しないこと。この中でドイルがどのように人生設計していくかが折り合いをつけられた時、ホームズのマジックがさく裂するのは本当に救いのある展開でした。まあ総じて生田君がご結婚によって素晴らしい幸せをお掴みになられ、その影響を受けているのか奥さんキャラはどうみてもあの某真彩様では…と思われる造形もちらほら…組子はやいやい楽しく作り上げているであろう感じが伝わってきて笑えたのもGOOD。
・ご都合主義と笑うなかれ
創作物へのある種の諦念と希望を新たに定義しなおしたような清涼感もあり…最近ウエクミ先生以降深みのある悲哀やダークな現実をも、歌劇とリンクさせて物凄い衝撃を与えてきたというか、我々観客にこの停滞したヅカ世界観(すみれコード)の淵を拡張して見せるような動きで、最高!と受け止めながらも、やはりヅカの本質は双方へのやさしさ(ハッピーエンド)とロマンスで包まれていてほしいなと勝手ながら思うのですよね。それがヅカの良さで他の劇団には到底まねできない愛と夢の世界だと思うので。なので創作の力で無理やりハッピーエンドに持ち込んだのをご都合主義と笑うのではなく、それでも世界には物語が必要だ!ですよね。普通のペン一つで創作の余地の中で観客に尊く優しい時間を与えてくださる生田君に感謝、演じて表現して届けてくれる咲ちゃんをはじめとした組子の皆さんに感謝だなと改めて思った次第です。
・好きなことで生きていく
パンフレットの「好きなことで生きていく」。
よく会社員の世界では、好き/趣味を仕事にしちゃいけない(=近づくと裏側まで見れて嫌いになってしまうことがしばしば)という訓戒があり、就職時なんか誰もがこの言葉と葛藤し、まさしく自分なぞは全く興味のない業界で働いているわけですが。宝塚をはじめエンタメ業界の人はまず間違いなく好きを仕事にした集団。先般掲示された劇団報告書を読むに過重労働、もしかしたら無駄なしきたりや作業の積み重ねだけではなく、舞台人として良いものを届けたいという行為の過剰ラッピングがあったのかもしれません。つい先ごろまで雑誌を読んでいても当たり前のように徹夜で髪飾りを作る?朝早く起きて作る?みたいな問いが書いてあるような時代でしたし。
昨日よりもよいものをつくりたい、スター制度の中で誰よりも良くありたい、このような舞台人の思想や行動の良し悪しは決して外野(=自戒でもあります。親族でもない、言葉を交わしたこともない一観客ですよ、殆どが。)がとやかく言うものではなく、管理責任のある劇団へスタッフも含めてしっかりとした労働環境の是正を求めます。急いで伝統が見直され、健康的に勤めることができるようになればいいなと願うばかりです。また、筆の遅い(文字通り脚本が出来ていない)重鎮を笑い話として公言できる時代は終わってほしいです。ジェンヌやスタッフの「好き」が、困難な現実や問題として目の前にたちはだかった時(挫折なら乗り越えるしかないでしょうが)に、やりがい搾取のようなことがないようにと。
Winter Spectacular『FROZEN HOLIDAY(フローズン・ホリデイ)』-Snow Troupe 100th Anniversary- 作・演出/野口 幸作
→とにかく豪華。美男美女の詰め合わせ。ラグジュアリーなホテルで行われるスター大饗宴!これほどまでに細部まで野口君の意欲的さが見られるのは雪組ならでは…。本当に咲ちゃんの魅力大爆発。夢白さんのゴージャスなポージング、あーさのカッコよさ、そらの巧みさ、あがたのチャーミングさ、すわひままのみ~さんちゃんのかわいらしさ、というところに新たな紀城・かせきょ~・はばまい・かすみんという素晴らしい若手の四重奏が加わり雪組黄金期…。忙しいけど嬉しい展開の連続。
また破壊と再生の歴史の中で何度でも立ち上がる人々を花にたとえて咲き続ける意思を表明する場面の第七章はどれをとっても人任せではないこだわりを感じて泣けました。ワイホの美しいメロディーと森先生の振り付け、加藤先生の衣装は特に素晴らしいものでした。
個人的に好きなのは勿論人生のメリーゴーランド。ヅカの美の最もたる表現は「舞踏会」だと思います。解釈一致。フェアウェルパーティーで出会っては別れる紳士淑女の中で三井先生のドラマティックな振り付けで切り開いていった先、咲ちゃんとそらが残るのはあまりにもエモく、鳥肌がたつほど…。咲ちゃんの歌い上げる歌詞もリンクしていて泣けました。そしてエトワールの紀城・かせきょ~・はばまい・かすみんの安定感…あまりにも未来が明るすぎる。これに加えて、Wトリオの星沢ありさちゃん、おときみあちゃんの美しいこと…。雪組は美形しかいない。
■1月 ミュージカル『イザボー』作・演出:末満健一
→ワタナベエンタおなじみの末満さんが、日本発のオリジナルミュージカルを送り出すプロジェクト「MOJOプロジェクト -Musicals of Japan Origin project-」の第1弾。あらゆる苦しみと悲劇を作り出す芸風(TRUMPも刀剣もいつも最高に美しい悲劇をありがとうございます)の末満さんと不幸に立ち向かう作品しか出てない(言い過ぎ)スター望海風斗で和製ミュージカル、ということでドロドロの苦しみを客席で背負う覚悟で初日近い日程で観に行ったのですが…結論から言うと、そんなに辛い話ではなかったというかエピソード一つずつは残酷でも特にそれに悲しむ時間が割かれていないので全然大丈夫でした!これがまた不思議な強さの女性の話というべきか、望海風斗本体の強さによって消し飛ばされたのか…?
・一旦あらすじ
フランスの“最悪の王妃”と称されたイザボー・ド・バヴィエールの生きざまを、息子シャルル7世(甲斐翔真)の視点から描くストーリー。百年戦争の時代にひょんなことから精神的に崩れたフランス王シャルル6世(上原理生)妃のイザボーが、たくさんの子孫を残しながら、最後まで生き抜く。
・人間と獣
この作品でのイザボー・ド・バヴィエールはシャルル6世と14歳で結婚し、12人の子供を残したとされる女性。王弟ルイと関係を持ち、そのほか敵対する有力な貴族とも場合によっては体で掌握していく。最終的にはフランス王位を譲り渡す等思い切った行動が絶えず、悪女、最悪の王妃を誹りを受けることになる…。
面白いのはイザボーがそれに心を痛め、悩み苦しみながら生きていくのが物語の本筋ではないところ。序盤で政略結婚にもかかわらず、幸運にも愛のある結婚ができたのが功を奏し、夫である国王を守るために常識や慣習やプライドを捨ててただ二人だけで自分勝手に生き抜くことを決意してしまうイザボー。敵とも必要に応じて懇意になり、はたまた簡単に裏切り、母親としての姿は外についぞ見せずに子供を切り捨てる、まさに野生の獣の様に生きるイザボーに比例して、外野であげつらって彼女を見下げていた野蛮な男たちが逆にドン引いて段々と人間的な振る舞いを彼女へ進言や忠告し出す様子がおかしくて、良い意味で不快で興味深い脚本だった。悲劇が起きてもイザボーは二人に関係しないことには長く嘆かない。何故なら過去の自分に謝らない自分でいよう(私、幸せ?)としているから…行動に伴う結果について悔いない。ので、本当にただ彼女の人生を大河ドラマのように眺めていたというのが感想。これは悲しませよう、泣かせようと思って書かれたものではないと全編観て気付く…。
・輸出の予感
テーマ曲が強い。海外、例えば韓国とかでやったらウケそうな暗い色彩感覚の舞台装置・衣装。歌唱力勝負な強い女性ばかりなのもいい。安易にイザボーと対比するキャラ(一般的な演出だったら、白や青の衣装を着た良妻賢母のような設定を那須さんに課していたはず)が出なかったのも良かった。
・ちょっと微妙だった個所
ブリリアらしく盆が回ると思ったら手動!まじで速い~危なくないのか?
あとペストの演出はトート意識?これは中々微妙だったかも。甲斐君が実力が生かし切ってないのが原因なのか?笑わせたいのかまじでやってるのかよくわからなかった。あと単調に王によってイザボーが物理的に叩かれるのが、過酷さや辛さのアピールにうまく繋がってないと思った。末満演出ならもっと効果的なものがあったはず…。あと思ったよりルイが優しくて良い男の気配を纏っているのは逆に嬉しい誤算な感じがした。
■1月 少年社中 25周年記念ファイナル 第42回公演【テンペスト】脚色・演出◎毛利亘宏
→少年社中 25周年おめでとうございます。7ORDER萩谷こと萩ちゃんがゲスト俳優でお呼ばれしたのでサンシャインの二階席で観劇。
芝居をすることは一人でもできる。でも芝居を2人以上でセッションすること、団体で一つの作品を作り上げること、さらにそれを商業的価値をつけて観客に提供すること、色々な段階を経て同じ意志や夢を持った集団が劇団としてどう生きてきたのか、また今後どうしていくのかをシェイクスピアのストーリーになぞらえて進めた物語。これまでいくつも少年社中は見ていたが、ここまで裏側っぽく描いているのは面白かった…。
集団が同じ方向を見て進むということ殆ど奇跡みたいなもので、令和で物凄く難しいことなんだと、某J事務所のグループの解散や脱退や卒業の多さを見てまざまざとわからせられた中、7ORDERなんかもまさにその憂き目にあいました。一人佇んで皆を見ているゲキ/萩ちゃんがどのような心境であれを演じていたのか胸に来るものがあります。2.5の大スター鈴木拡樹(あまりの素晴らしさに語る言葉もない)を前に物怖じせずにシンクロ芝居をやってみせたのは衝撃、萩ちゃん良い意味で無頓着そうだからこそゲキたらしめてた。れおの怪演は2.5ではなかなか見られないようなはじけっぷりで冴えていたし、言うまでもなくピロシのレベルが高すぎた。自然体すぎて場面が急転するときの焦りやパニックがこちらにも究極に迫りくる感じ、あんなに上手く表現できる人他にいないよ…。お馴染みのしょうごは顔を黒く塗って憑依したような芝居に圧倒された(最初マジでしょうごだってわからなかった)
この劇団にも番手のようなものがうっすらあって、役者の人気と実力と機会というのは全てがセットではないのが頭ではわかっていても誰しも心では寂しくて、でも集団の中で生きるうえで志は等しくて、難しいよね。でもそれが、その経験すらも食って演劇を作るタフな俳優たちに拍手。これだけ大スターで天才の拡樹もキャリアもあってなお、ここまで孤独にがむしゃらに演じてて、演劇の世界って天井知らずですわ…。
サコンはメサイアお馴染みの橋本真一君、彼の本物のやさしさや同業者へのおもいやり、真っ当さが出ていてエールがどこまでもピュアだったの染みた。