観劇ブログ(雑記ちゃん)

かなり個人の見解です!

2023年後半の観劇を振り返る(2023/9~10)

最近見た公演の感想をつらつらとメモです。

 

■9月 雪組公演ミュージカル・プレイ『双曲線上のカルテ』監修・脚本/石田 昌也 潤色・演出/樫畑 亜依子

→まさかこれがそらの最後の男役主演作となるとは…。難しいテーマをどこか軽やかに器用に、でもどうしようもない悲しさはそのままに…何でもできるそらの姿にたくさんの影響を受けた後輩がたくさんいると感じた公演。ヒロインかすみんは歌もダンスも申し分なく、芝居も娘役としての謙虚さや美しさが緻密に設計されていたのが印象的。ひまりはかすみんを吹き飛ばすほどのパワーで緩急を出して役を全う…あがたと二人で真相にたどりつく場面の演技とてもとても良かった…まるで昔の昼ドラのような、でもこれが見たかったというような安心感…。あすくんの役も小気味いい、足された裏設定みたいなものもスマートに昇華。ともかは学年よりも達者な実力で儲け役(それでもなお綺麗)。あがた、まのみ~とさんちゃん、皆かっこいい。白綺さんは思ったより大柄だけど品のある佇まいで今後に注目。

 

■9月 ミュージカル『憂国のモリアーティ』 Op.5 -最後の事件-

→Op.1~4を経て最終回。メインどころにキャスト変更はなく、ここまで真面目に作り上げたキャスト、ピアノとヴァイオリン奏者の方々と西森さんに感謝。良い話というよりかはとにかくすべてのキャストがはまり役なのが奇跡的なシリーズ。昨今の2.5は狭い業界故に俳優の関係性が板に乗るようなことが多く、それが追い風になったりすることもあるがファンの批評や盛り上がりがそこに結び付きすぎたりすることもしばしば。が、実力のある俳優はプライベートで親交がなくとも(また今どのような関りがあるのかが全く気にならないという方が正しい?)素晴らしいケミストリーを魅せる、それをまざまざと感じた公演だった。最後まで良い芝居と歌をありがとうございました!

 

■9月 花組 オペレッタ・ジャパネスク『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』脚本・演出/小柳 奈穂子

→色々なことが起きた中でシンプルに明るく楽しめる作品だったのが非常に良かった。推しのあかちゃんの大劇復帰作でもあり、中々美味しい役。組替え前と後でどのような立ち位置なのか不安に思う二人だけの戦場の後だったから余計にひとあか好きの小柳先生に感謝。

 

ネオ・ロマンチック・レビュー『GRAND MIRAGE!』作・演出/岡田 敬二

→決まった時はモアダンの路線や序列や銀橋を使わない構成を思い出してげんなりしましたが、まさかの良作。この美しいパステルのロマンチックさは正しくタカラヅカ…紫陽花モチーフが美しい。明らかにカレーには野口香水よりこっちの方がハマってました。カンツォーネの緑の貴公子あかちゃん、よすぎ!長身の星空さんとの新鮮なダンス見入った。

・いつもの咲乃深音ちゃんレポ

ムラではパネル入りとのことおめでとうございます!幕開きからセンターでコーラス、砂漠のダンスも滑らかで素敵…。せーのソロの時に最初に登場します(確か帰るのも最後)ジュテームではチュチュ姿でかずみしょうさんの相手役…本当に愛らしい柔和で上品な佇まい!ダンスも歌も芝居も上手い!深音ちゃん最高!

 

 

■9月 アナスタシア

→役変わりが良いと聞いて思い立って観劇。オーブの構造って本当に特別感あって素敵で大好き。ばっちディミトリ、木下アナスタシア、田代グレブ、けんや×コムカップル回。ヅカ版との大きな違いはグレブが恋してない。不思議な縁に慄いている感じが強かった(検索したら田代グレブの特徴らしい、堂珍グレブはアーニャに思いを寄せている濃度が高いらしいとのこと)グレブの解像度が非常に高く、ヅカ版ではふわっとしてた気持ちのところが、お前が父の息子なんだからこの結果なんだ!それを受け止めきれなかった父と折り合いをつけきったグレブに良かったね!と声をかけたくなるような感じでした。(でも王宮からの脱出のシーンはヅカ版の方が好き)コムちゃんは日生で某やばい舞台で見た時よりずっと歌もダンスも健在でかっこよかった。ばっちは甘いマスクで正統派のイケメンだからヅカ版に近い清涼さで良い…イケメンゆえの苦労知らずがにじみ出てる。ちょっとお久しぶり(るひま以来…?)に拝見したのですごく歌が上手くなっていてビビりました、ばっち、立派な帝劇俳優じゃん!木下さんはもう非の打ち所がない、すべてがニュートラルでパーフェクト。上手すぎてよく撮れた映像と音源みたい(褒めてる)

 

■10月 MANA-TRIP

→気が滅入って急遽配信を購入。色々な情勢の中で折しも原点回帰の構成。参っている宝塚ファンはみんな見た方がいい。私の好きな宝塚が全部詰まっていた。若さスパークリングから宝塚の縁を大事になさっているまあ様の人徳に泣いた。みりおん面白過ぎる。愛ちゃんもあきももかっこよくて、まいあもスタイルが鬼。また同じメンバーで集まってほしい。

 

■10月 『スリル・ミー』

→気が滅入って急遽配信を購入2。二人芝居のシンプルな構成ながら非常に考察の余地がある。たしかに人気作でしょう、これは。

スマートなマスクの下に凶暴な影をひそめるまえこ~に弄ばれておかしくなった達成なのか、必死で健気でどこか危うい魅力の達成に引きずられで堕ちたまえこ~なのか?申し訳なくもまず達成が人に踏み倒されるような顔面ではないのでひいき目でまえこ~がお前を好きじゃないわけないじゃん…?というバイアスがかかってしまう。愛が通じ合っていたのか、はたまた独りよがりだったのか、これどっちでも解釈はいいのかな?二人とも強さが持ち味の俳優(でも二人ともベンヴォ―リオ俳優なんだよな~)だから、堕ちた後の緩急がよりついておどろおどろしい。他の俳優でも見てみたい、う~ん。井澤と杉江でどう?(ただのメサイア~~~)

 

 

■10月 ミュージカル『のだめカンタービレ

→推しの仙名様ご出演。某ミュ以来三浦専用演出(またの名を突然の世界観にそぐわないバレエ)があまり好きではないのですが、今回はぴたりと良い感じに溶け込んでましたね!ペトルーシュカでのゆきちゃんとのダンス素晴らしかった!有澤氏は刀やキングダムで見ていた時よりもずっと俳優としての格が上がったのにびっくり…次は帝劇主演て…刀時代の観劇していた私に言っても信じないと思う。今数多の若手俳優の中で一抜けに最も必要なのは身長と声量なのかも…(テクニックは後からついてくる)演出駆け足でよく頑張ったと思うし、クリエでもオーケストラの構成はお見事!そしてめちゃめちゃ勿体ない竹内君の使い方…。竹内君はガイズで見る予定だったのに無くなってしまったから残念で今回見れて良かった。かなり上手いしルックスも素敵だから売れそう。とにかく歌パートは三浦氏が殆ど引き受けていてさらに踊るもんだから一人だけとんでもなくハード、お疲れ様でした。ちなみに前半ゆきちゃんは兼ね役で審査員やクラブシンガー等もやってました。赤いドレスで苦悩する姿にベアトリーチェを思い出してほろり…。