観劇ブログ(雑記ちゃん)

かなり個人の見解です!

2022年前半の観劇を振り返る③(2022/6~8)

 

 

■6月 DisGOONie Presents Vol.11 舞台「Little Fandango」 東京公演

→東京前楽観劇。7ORDERが出演させていただいた過去のDisGOONie公演(サイズ、デカダン)がとても面白く、めちゃくちゃ熱くて泣ける演劇だったので多ステしていた。の、だが…今回とても楽しみにしていたのが良くなかったのか…刺さらなかったというのが正直な感想。ただ、元々新しいDisGOONie公演(時間が短い、DisGOONieなのに!!)という触れ込みもあったので、今までの作風とは変えたんだなとは理解した。マクスウェルにほんのり漂うイマジナリーフレンドっぽい謎も、本を破るくだりのせいでいまいち確信に至らなかった。誰かあれ解明してくれないかなあ。

▼良かった点

・殺陣がすごい。間合いの遠いガンアクションもなんなくこなす役者の技量に脱帽。特にながつ&萩ちゃんの跳躍力や、瀬戸君らの華のある動きには目を奪われた。瀬戸君はほしいところにピタッとハマる芝居を入れ込んでくるところが流石。この辺は西田さん流石です!と感服。

・ながつピートの精神力(多くは語るまい)。

山口大地さんのモーションはレベルが違う。

・タンストールの松田さんが全ての芝居のリズムを整えてくださっていた。

・ローゼンバーグとジーニーの関係!これには従前のDisGOONie魂を感じた!これを見に来た!!

▼個人的に微妙だった点

・出だしの空気感が酷い。つまらない独り芝居への会場の冷ややかな空気に対して「そろそろこの空気にも慣れたぞ~」とヘンリーの役者がぼそっと言ってきたのにもえ?っと驚いた。西田さん、これは何の時間なんですか?

・センターに来る人を迎え入れる踊り、見飽きた。サイズであんなにかっこよかったダンサー演出はどこに…。

・間接的に実の母を手にかけた母の姉に対して「ありがとう!」で終わる結末。※そもそも吉川さんは渡辺さんと遜色なく美しいので、お前じゃなくて町一番の娼婦はこいつ!と言われてもピンとこない。いつものように田中良子さんが姉を演じていたら、姉妹の差異がどっと出て、もっと話は違ったかもしれない!

・パット・ギャレットが同じ商売をしている姉妹の片方を愛しておいて、さらに姉に冷たい仕打ちを取るのは(妹の足抜け費用しか考えてないのも含め)、今後姉とは義理の家族になる気すらもないのが透けて見えて辛かった。動機は分かるけど熱量が不明のまま最後のシーンまで進む。校條君、この役の機微を時系列に整理するのはさぞ大変だっただろう。

・一番イラっとしたのが、死闘の最中に訪れた束の間の夜半にマカーティ萩ちゃんが泣きながら日記に思いの丈を綴るシーン。遅かった…こんなに大切なものに気付かずに生きてきた…みたいに(うろ覚え)自分の生き方に後悔して号泣していて、思わず「孤独に戦ってきたマカーティの中にタンストールさんの灯した小さな火が、共に生死を共にした仲間を大切なものとして認識できたのか!!!」と感動して泣きかけたら、大切なもの=ホアニータだった!?う~ん、こればかりは全然理解も共感もできなかった。残された子のために生きないし、カウボーイの美学は独特(諦め)

 

 

■7月 星組公演 ミュージカル・エトワール『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』作・演出/小柳 奈穂子

→5回観劇。何も考えずに楽しめる。過去作品を見ていない新規の友達を連れて行ったら(一応説明したものの)前半はよくわからない箇所もあったらしいが、このスピード感ある展開の前では少しの置いてきぼり感はご愛敬。有村先生の素敵な衣装とライトな小柳ワールドをひたすら笑顔で受け止められる星組にしては珍しくハッピーな作品(最初で最後になるなよ…)。

推しの綺城ひか理さまは作中唯一の悪役かつ黒幕。ぱっぱらハッピーな中で辛い役回りだが、自己の承認欲求の拗らせ方も愛する息子のためにという背景とも繋がったときが切なかった。序盤からその節はあって、王子選定環境を必要以上に整えまくったり、息子が大人になった時に軽視されないようにと先回りするシングルファーザーの一方通行さもカラフルな世界観の中でかえって愛しかった。(王が彼に娘を預けなかったことにも色々考察の余地もあり、、)ラストで柚美さん演じるマダム・グラファイスのセリフ…過ちに再生の機会を与えてくれる演出がありがたかった…ここ、護送されるオンブルを最後まで悔しい表情で見つめるさきっぽの芝居が光る…。良い家臣とかわいい息子ロナン君があれだけ尊敬と親愛を寄せているのだからアエテルニタス(永久)・ルクス(ひかり)・オンブルも捨てたもんじゃない!それを体現して見せるあかちゃんの芝居が好き!!

 

レビュー・エスパーニャ『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』作・演出/藤井 大介

サンホセで燃え尽きた…。

ニンジンは本当につまらない場面だと呆れていたが年配の方は喜んでいたようなのでジェネギャのようだ…宝塚はたくさんの年代のファンで成り立っているが、特に年代が上の方が比率は高めなので仕方ないことでした(反省)

ボニータ以降は礼さんととにもかくにも美穂様ショー。ふわっとした若手群場面が多く、雪組FFの若手ダンスのニューファイアーやファシネの若手渡りとも違って、本当にふわっとした人数が緩く踊って歌って歩くみたいな謎なシーンが多かった。MVPはボニータの娘役。一人ずつ見てもどれも最高のダンスとフリーアーム、ビジュアルも最高!!!

とにかくダイスケなのに構成がとても落ち着いている。全ツで真の星組版になるとどういう風になるんだろう?

 

 

■7月 音楽劇クラウディア

→観劇予定の公演が中止になり、急遽大野×門山×廣瀬×平間回の配信を観る。

地球ゴージャスの主題はまっすぐ伝わってきた。とにかく歌はうまいし、ロミジュリベースも受け入れやすい。サザンの名曲が彩り(涙のキッスだけ笑った)、小ネタで笑わせる個所もあり、ダンスも豪快。平間の龍は繊細ながら異形のものとしての動きが抜群で、よく考えられていた。

ま、泣くほど感動する展開ではないし、女性は産む機械カルチャー(勿論これが過剰であるほど際立つ逆の考え方という演出はわかっていながら)がうっすら不愉快なのだが、そうまでして訴えたい反戦というテーマがある、ということを受け入れられないこともない(が…もう少し削ってもいいのではないかと)。

 

 

■8月 雪組公演 Midsummer Spectacular『ODYSSEY(オデッセイ)-The Age of Discovery-』作・演出/野口 幸作

→よくこれだけのテーマを引っ張ってきて最終的に宝塚に着港させたなとまずは野口君に敬意。彼は去年刊行物等でバレエにハマったと言っていたが、まさにその知見が生かされたようで色んな種類の音楽場面が展開されていた。勿論オリジナルバージョンの正月公演ならば、かずきそら・あやな・諏訪っちがいたので相当な厚みだったのだろうが、あがた・まのみやが大健闘。全ての場面がお洒落で美しく品がありながらも新しく、入れ替わりで違う曲がバンバン出てくる某少年倶楽部のような構成。

一つだけ、おやおやと思ったのはとにかく女装が多い。女装のクオリティ自体は良かったものの、正月からキャストも変えたんだからせめて中国はひまりでアラビアは希和ちゃんでいきましょうよ!(まのみーもかせきょーはも上手いのでその辺の文句はない)もう少し路線娘役に出番があればと思うばかりだが、踊りも歌も抜群のきららうみちゃんが見れて大満足。やっぱり雪組は美形揃い…!

 

■8月 ミュージカル『ミス・サイゴン

→別記事参照。

sumire8k.hatenablog.com